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鴻海テリー・ゴウが描くシャープの「使い道」

4年越しでラブコールを送り続けた狙いはEVへの参入

2016年2月26日(金)

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 シャープの取締役会は2月25日、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業グループの傘下に入って再建を目指すことを決議した。2012年から4年越しでラブコールを送り続けたホンハイをようやくシャープが受け入れた。官製ファンド、産業革新機構との競り合いは土壇場までもつれたが、ホンハイは総額7000億円という途方もないカネを積み、革新機構を振り切った。ホンハイはなぜ、そこまでシャープを欲しがるのか。背景には郭台銘(テリー・ゴウ)董事長の壮大な野望がある。ただし、ホンハイは、「シャープから重大情報が送付されたので正式契約を延期する」と同日発表した。電機業界を揺るがす合併交渉は、まだまだ波乱含みだ。

シャープとの「契約書」を報道陣に見せた鴻海精密工業の郭台銘会長(2月5日、大阪市のシャープ本社前)(写真:山田 哲也)

 「熱烈な片思い」──。テリー・ゴウ氏の側近は今回のシャープに対するゴウ氏の思いをこう表現する。最初にホンハイがシャープへの出資を検討した2012年には、1株550円という値段をつけた。「単独で筆頭株主にはならないでほしい」というシャープ側の要求を受け入れ、複数のグループ企業で分散して株を持つという、面倒なことまでやろうとした。

 しかし契約した直後にシャープは大幅な業績予想の下方修正を発表し、株価が暴落した。ホンハイは出資条件の見直しを求めたが、シャープが応じなかったため、ホンハイによるシャープ本体への出資は実現しなかった。今回もシャープの「重大情報」が出資条件に影響するようなものだと話がもつれる可能性はある。

 今回の出資条件は一株118円。普通株割り当て後の鴻海グループの株式保有比率は65.86%、議決権の割合は66.07%となる。種類株は普通株を対価とする取得条項付きで、すべて行使されたと仮定した場合の議決権保有割合は71.1%になる。つまり、ホンハイは前回の5分の1に近い価格でシャープを傘下に収められる。「重大情報」が損失隠しなどの悪質なものでなければ、ゴウ氏は「いい買い物をした」ことになる。

 しかも前回と今回では、買収の目的が大きく変わっている。シャープそのもの企業価値がこの4年で大きく毀損したのは事実だが、その間に「別の使い道」が出てきたのだ。

 日本では、ホンハイがシャープを欲しがる理由を「液晶事業」とする解説が多いが、これはあまり正確ではない。液晶事業そのものはホンハイ子会社の群創光電(イノラックス)という子会社で手がけている。おまけにシャープの液晶工場は、この4年間、まともな設備投資をしてこなかったせいで、かなり時代遅れになっている。つまり、「ホンハイはシャープの液晶技術を欲しがっている」という見立ては、とんだ見当違いということだ。

 革新機構を所管する経済産業省が公的資金を使う口実として「技術流出」を口にするが、実態をよく見れば今のシャープの液晶事業に流出して困るような技術はほとんど残っていない。

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「鴻海テリー・ゴウが描くシャープの「使い道」」の著者

大西 康之

大西 康之(おおにし・やすゆき)

ジャーナリスト

日本経済新聞産業部記者、欧州総局(ロンドン)、日経ビジネス編集委員、日本経済新聞産業部次長、産業部編集員などを経てフリーのジャーナリストに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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