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トランプ演説から見える安保「満額回答」の狙い

日本の防衛費増額でも米国からの調達は増加か

2017年3月3日(金)

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 トランプ政権が目指す方向が2月28日の議会演説で明確になってきた。安全保障に関しては、国防費を大幅に増額する方針を表明した。IS撲滅、中国やロシアへの対抗が狙いだ。同時に、同盟国に応分のコスト負担を期待していることに注目すべきだ。

 先般の日米首脳会談の共同記者会見でも、トランプ大統領は「日米両国は防衛能力を一層高めるために日米同盟に大きな投資を続けていくことが大事だ」と発言している。中国の海洋進出への対処と北朝鮮のミサイル防衛のために、日本の防衛費に対しても増額への圧力がかかることは不可避であろう。

 日米首脳会談を総括して、安保に関しては「満額回答」という見方が日本では定着している。トランプ政権は尖閣諸島が日米安保条約5条の適用対象であることを明確に確認し、懸念していた米軍駐留経費の問題も出さず、反対に謝意を表明した。日本政府も所期の目的を充分達成して大成功と評価する。

 しかし問題は、『なぜトランプ政権が「満額回答」したか』だ。

トランプ政権の「したたかな戦略」

 共同声明の中で最も注目すべきは、安保関連の最後に盛り込まれた一文だ。

 「日米同盟の強化」に向けて「日米両国の各々の役割、任務、能力を見直す」ために「外務・防衛の2プラス2を開催」する。

 簡単に言えば、対北朝鮮、対中国の日米同盟を強化するために、日本の自衛隊の果たす役割を増やし、そのために自衛隊の能力を強化する方向を目指して日米が協議する。日本の防衛費が対国民総生産(GNP)比1%と、他の同盟国と比較しても格段に低い中で、今後防衛費の増大を求めてくるのは明らかだ。これは今回の議会演説でも明確になっており、トランプ政権が北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対して費用分担の増大を迫っていることとも軌を一にする。

 また、そこには米国の今後の軍事力の展開においてIS撲滅にプライオリティを置くため、東アジアでは日本に分担を求めざるを得ない事情もある。マティス国防長官の一連の日韓、欧州歴訪の意図もそこにあった。

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「トランプ演説から見える安保「満額回答」の狙い」の著者

細川 昌彦

細川 昌彦(ほそかわ・まさひこ)

中部大学特任教授(元・経済産業省米州課長)

1955年1月生まれ。77年東京大学法学部卒業、通商産業省入省。「東京国際映画祭」の企画立案、山形県警出向、貿易局安全保障貿易管理課長などを経て98年通商政策局米州課長。日米の通商交渉を最前線で担当した。2002年ハーバード・ビジネス・スクールAMP修了。2003年中部経済産業局長として「グレーター・ナゴヤ」構想を提唱。2004年日本貿易振興機構ニューヨーク・センター所長。2006年経済産業省退職。現在は中部大学で教鞭をとる傍ら、自治体や企業のアドバイザーを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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