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2年連続の銀行法改正、水面下でギリギリの攻防

  • 岡部 一詩=日経FinTech

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2017年3月3日(金)

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 金融庁がFinTechの推進に向け、アクセルを踏み続けている。

 2015年9月に公表した「金融行政方針」でFinTechに速やかに対応する方針を示して以降、金融庁は立て続けに振興策を打ってきた。12月に「FinTechサポートデスク」を設置し、スタートアップ企業から金融規制に関する相談を受け付ける体制を整備。2016年5月には、銀行による出資規制を緩和する改正銀行法や仮想通貨を初めて法的に位置づけた改正資金決済法を成立させた。

 金融庁はさらなる一手を打つ。2年連続の銀行法改正だ。FinTechを巡る環境で、日本を世界最先端の地の一つにしようとする意欲的な取り組みである。2017年3月3日にも閣議決定される見通しだ。順風満帆にみえる金融庁の一連の施策だが、水面下ではギリギリの攻防にさらされていた。場合によっては、日本のFinTechは減速を余儀されていたかもしれない。

銀行はAPIを公開すべし

 今回の銀行法改正の内容を大まかに言えば、次のとおりだ。銀行に対して銀行機能に関するAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を準備することを求める。一方で、銀行APIに接続するスタートアップ企業は、「電子決済等代行業者」として登録制を導入するといったものだ。電子決済等代行業者に対しては一定の基準の下、銀行は事実上のAPI提供義務を負うことになる。

 APIとは、自社の情報システムの使い方をルールとしてまとめ、外部企業が利用できるようにする仕組みのこと。代表格が「Google Maps API」だ。同APIを利用すれば、米グーグルの高度な地図機能を、外部の企業がWebサイトなどに簡単に組み込める。

 銀行がAPIで提供できる機能は複数ある。口座の残高照会や利用明細照会、振替、振込などが代表例だ。こうした機能を、スタートアップ企業やネット企業が手掛けるオンラインサービスやアプリに組み込めるようになれば、利便性の高いサービスが次々と実現できるはず。Google Mapsを導入することで、グルメサイトなどが飛躍的に使いやすくなったのと同じ効果を見込んでいるわけだ。FinTechの盛り上がりと共に、「銀行はAPIを準備・公開すべし」との機運は世界的に高まっている。

金融庁とFinTech協会の大同団結

 金融庁・金融審議会は2016年夏に、銀行APIを巡る議論を始めた。半年の検討を踏まえ、報告書をまとめたのが12月27日。同庁はこの報告書を基に、銀行法を改正する手続きに動き出した。

 ところが、これに待ったの声が上がる。異を唱えたのが自民党の一部議員だ。電子決済等代行業者という登録制の導入が「過剰規制」に当たり、新たなスタートアップ企業の参入障壁になりかねないというのが理由の一つである。2017年2月21日に開かれた同党の財務金融部会・金融調査会合同会議で、銀行法改正の了承は見送られた。自民党の了承がなければ、通常国会への法案提出は暗礁に乗り上げる。

 正念場を迎えた2017年2月27日12時25分、当のスタートアップ企業を主体とする業界団体であるFinTech協会が、一つの緊急声明を出した。「平成29年銀行法改正法案に賛成するものであることをここに表明する」。

 同声明によるとFinTech協会は金融庁との交渉の中で、全ての金融機関へのAPI公開義務付けなどと引き換えに、登録制を受け入れることを既に容認していたもようだ。「登録制の導入によって参入のハードルが多少上がっても、全銀行にAPIを導入させることが重要」。こう考えていたとみられる金融庁との大同団結が成立していた。

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