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自民対小池新党、激化する神経戦

2017年3月9日(木)

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7月の東京都議選を控え、小池百合子都知事が率いる「新党」へ自民党都議らが移るケースが相次いでいる。豊洲市場への移転の経緯を調べる都議会の百条委員会も設置され、小池氏の思惑通りの展開が続く。小池氏は都議選へ候補の大量擁立を目指す構えで、勢いをそぎたい自民との神経戦が激化してきた。

東京五輪を控え、表向き協調姿勢の安倍首相と小池都知事。自民内では支持層を奪われることへの警戒感が強まっている(写真=2点:AFP=時事)

 都議選に向け、小池百合子都知事が実質的に率いる地域政党「都民ファーストの会」はこれまでに12人の候補者擁立を決めている。いずれも自民党を離党した区議や民進党の元都議など議員経験者で、2月末に自民を離党した現職の2人の都議も都民ファーストの公認候補として出馬する予定だ。

 既成政党から都民ファーストに移るケースが相次いでいるのは、人気が高い小池氏の支援を受けるのが選挙戦術上得策と判断したからだ。「当選後に不祥事を起こさないような即戦力の候補」の擁立を進めたい小池氏側と思惑が合致した格好だ。自民幹部は「選挙基盤の弱い都議らが離党する流れが続くかもしれない」と警戒している。

 小池氏は2月5日の東京都千代田区長選で自らが支援した現職候補が自民推薦候補に圧勝したことを踏まえ、都議会で単独過半数となる64議席の獲得を念頭に候補者擁立を進める構えだ。

 築地市場から豊洲市場への移転決定の経緯を地方自治法100条に基づき調査する都議会の「百条委員会」が設置されたのも、小池氏の思惑通りの展開だ。都議会が全会一致で設置を決めたのは有権者の厳しい視線を意識したためだ。移転決定時の都知事だった石原慎太郎氏らへの証人喚問が単なる政治ショーに終わる可能性もあるが、豊洲移転を進めた石原氏の責任や自民の政治姿勢を都議選で争点化したい小池氏は「決してマイナスにならないと踏んでいる」と周辺は語る。

「ダブル選」観測で揺さぶり

 2月25日には「都議会のドン」と呼ばれていた自民都連前幹事長の内田茂都議が引退を表明。自民は小池氏との溝を埋める契機としたい考えだが、小池氏の姿勢は揺らがないとみられる。

 勢いづく小池氏に対し、首相官邸・自民本部も警戒感を強めている。安倍晋三首相ら政権幹部は自民都連を敵視しつつ官邸や自民本部との対立を避けてきた小池氏を苦々しく思いながらも、様子見の姿勢を保ってきた。だが、国政選挙の実動部隊となる区議や市議レベルでも都民ファーストに移る動きがあり、都議選だけでなく次期衆院選への影響も懸念する声が急速に広がってきた。

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「自民対小池新党、激化する神経戦」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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