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世界最大級の投資家が日本企業400社に送った書簡

ブラックロックが突きつけた「ESG」

2017年3月9日(木)

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世界最大級の資産運用会社・米ブラックロックが、投資先企業に「従業員の生活水準向上」を求めている。社員のやりがいや満足度を重視する投資姿勢は、日本の「働き方改革」とも一致する。「ESG(環境・社会・企業統治)」への取り組みが、企業経営の重要テーマとして注目を浴びそうだ。

フィンク氏は長期投資の重要性を訴え続けている(写真=AP/アフロ)

 「企業が従業員の能力開発や生活水準の向上に積極的に投資しているかを注視している」──。3月上旬、ブラックロックのラリー・フィンク会長兼CEO(最高経営責任者)が、日本の有力企業約400社に向けて書簡を送った。1月ごろに欧米の投資先企業に送付した書簡の和訳版で、「ブラックロックが今、企業経営のどんな点に注目しているのか」を端的に示す内容だ。

 同社はフィンク会長兼CEOが1988年に創設した。年金基金や機関投資家から資金を預かり、世界中の株式や債券などに投資している。運用資産は約600兆円(昨年末時点)で、日本のGDP(国内総生産)を上回る規模だ。

 日本株だけでも20兆円以上を保有しており、大量保有報告書によると日立製作所や三菱ケミカルホールディングスなど有力企業の大株主に名を連ねている。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や日銀と並ぶ“日本株式会社の大株主”となっており、同社が「企業による従業員への投資」を重点項目に挙げたことは、日本企業の経営戦略に大きな影響を与える。

世界の有力企業に対し、社会的な役割や貢献の重要性を訴える
●フィンク会長兼CEOの書簡要旨
世界経済について
  • グローバル化と技術革新の果実が、都市部の人材に偏在している
  • ブレグジットや中東情勢の混乱の根底には、この現実への反発がある
  • 投資先の企業経営者に対し、上記の環境変化をどう分析し、経営戦略にどう反映しているのか問いかける
ESGの重要性
  • 従業員の能力開発や生活水準向上への積極的な投資を重視する
  • 企業の持続的な成長にはESG(環境・社会・企業統治)が不可欠。グローバル企業は、進出先の地域に根ざした存在であるべきだ
短期的な経営視点へのけん制
  • 安易な株主還元よりも、将来に向けた成長投資を優先するよう求める
  • 対話による改善が見られず、企業の説明や対応が不十分な場合は、取締役の選任や不適切な役員報酬に反対票を投じる

コメント2件コメント/レビュー

世界最大級の資産運用会社が、投資先企業に「従業員の生活水準向上」や「環境・社会・企業統治への取り組み」を迫ると言うのが面白い。投資家は従来記事にも書かれているが、目先の利益を上げる事にのみ腐心していた。「後は野となれ山となれ」である。華僑の商人も昔は「10年で元の取れない投資はしない」と言われていた。欧米の企業の指標も、「売り上げよりは利益率」であり、利益率を上げる為には時として会社の事業規模を縮小したりもした。「不採算事業の売却」はその典型である。優良会社は、特定の事業が「不採算」となる前に高値で売却し、売却で得た資金は将来の為の投資に回した。米系企業で三十数年を過ごして、身近にそのやり方を見て目を見張った事を覚えている。近年、日本の会社も「不採算事業の売却」をする様になったが、タイミングは少し遅く、足元を見られて買値を叩かれるケースが未だに多い。判断はする様になったものの、躊躇している間に不採算かそれに近い状況になってしまう。企業経営が基本的に「守りの経営」になっているからだと思う。「従業員の生活水準向上」や「環境・社会・企業統治への取り組み」も主要株主である資産運用会社が要求するからやる様になった。積極経営で「攻め」を基本姿勢とする経営者もちらほらとは見えるが、本当に少ない。日本企業は嘗てトヨタに代表される「カイゼン」で世界の企業経営をリードした時期もあったが、あっという間に「過去のもの」にされてしまった。無茶はしないで欲しいが、環境・社会・企業統治などでも「我が社もやっています」レベルを脱する企業に出現して欲しいものだ。(2017/03/09 17:01)

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「世界最大級の投資家が日本企業400社に送った書簡」の著者

杉原 淳一

杉原 淳一(すぎはら・じゅんいち)

日経ビジネス記者

2005年、日本経済新聞社に入社し、大阪経済部に配属。2009年に東京に異動し、経済部で銀行や農林水産省、財務省、金融庁などを担当。2015年4月から日経ビジネスで金融機関を中心に取材している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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世界最大級の資産運用会社が、投資先企業に「従業員の生活水準向上」や「環境・社会・企業統治への取り組み」を迫ると言うのが面白い。投資家は従来記事にも書かれているが、目先の利益を上げる事にのみ腐心していた。「後は野となれ山となれ」である。華僑の商人も昔は「10年で元の取れない投資はしない」と言われていた。欧米の企業の指標も、「売り上げよりは利益率」であり、利益率を上げる為には時として会社の事業規模を縮小したりもした。「不採算事業の売却」はその典型である。優良会社は、特定の事業が「不採算」となる前に高値で売却し、売却で得た資金は将来の為の投資に回した。米系企業で三十数年を過ごして、身近にそのやり方を見て目を見張った事を覚えている。近年、日本の会社も「不採算事業の売却」をする様になったが、タイミングは少し遅く、足元を見られて買値を叩かれるケースが未だに多い。判断はする様になったものの、躊躇している間に不採算かそれに近い状況になってしまう。企業経営が基本的に「守りの経営」になっているからだと思う。「従業員の生活水準向上」や「環境・社会・企業統治への取り組み」も主要株主である資産運用会社が要求するからやる様になった。積極経営で「攻め」を基本姿勢とする経営者もちらほらとは見えるが、本当に少ない。日本企業は嘗てトヨタに代表される「カイゼン」で世界の企業経営をリードした時期もあったが、あっという間に「過去のもの」にされてしまった。無茶はしないで欲しいが、環境・社会・企業統治などでも「我が社もやっています」レベルを脱する企業に出現して欲しいものだ。(2017/03/09 17:01)

 言ってることには反論はないが、その弊害を散々もたらした癌細胞がそれを言うなという気持ちが強い。
 どうせ表面的で口先だけのことだろうと今までのやってきたことから考えても思う。(2017/03/09 14:59)

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