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私は伊藤派でも鈴木派でもない

ヨーカ堂派の三枝新社長、「らしさ」取り戻せるか

2017年3月18日(土)

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 中国に20年間駐在していた三枝社長。2月下旬まで同国に滞在するなど、ギリギリまで「中国漬け」は続いたが、それでもこの3〜4年は役員会に出席するために毎月のように日本に帰国し、国内動向に目をこらしてきた。中国では「沿海部から内陸へ」「実店舗からネット通販へ」など消費スタイルが劇的に変化し、「日本で起きている構造的な問題が、中国でも(すぐに)起きるようになった」ためだという。

 そんな三枝社長が日本の小売り業界について常々感じていたのが、誰しもが安易な業態論に走りすぎているのではないか、という点だった。

 「『総合スーパーはダメになった』とか『ショッピングモールだから勝てる』とかいうのは幻想です。どんな業態だって(競合他社に真似されれば)すぐに同一化、陳腐化するんです。そうじゃなくて、個別のお店がその地域でどんな存在として位置づけられていて、お客さんのニーズに本当に応えられているのかをまず考えなくては」

 総合スーパーのビジネスモデルは、1階の食品売り場で集客し、2階より上層で売る高利益率の衣料品・家庭用品で稼ぐというもの。消費者にとっては、お店に足を運べばワンストップで暮らしに必要な商品が揃うのが魅力だった。

三枝 富博(さえぐさ・とみひろ)氏
明治大学法学部卒。大和証券を経て1976年イトーヨーカ堂入社。97年成都イトーヨーカ堂出向、2009年董事長。11年イトーヨーカ堂執行役員中国室長。12年北京華糖ヨーカ堂董事長。13年イトーヨーカ堂常務執行役員。中国駐在の20年間で「すっかり辛い食べ物も得意になった」。神奈川県出身、67歳
(撮影:尾関 裕士)

 ただし、このビジネスモデルがうまく機能したのは1990年代の中頃まで。衣料品や家庭用品は機能性と価格を両立させた商品作りが得意なユニクロやニトリなどの製造小売り業(SPA)に客を奪われた。

 だから、もう総合スーパーという業態では成長は見込めない……というのが一般的な「総合スーパー限界論」。だが、この「総合スーパーだからダメ」という業態論は、お店の形態に責任を押しつけた言い訳であるともいえる。

尖ったファッションは求められていない

 「衣料品が売れないと言われるけど、そもそもお客さんがヨーカ堂に求める商品を置けているのか。ヨーカ堂は、どんなお客さんに、何を売る店なのか。総合スーパーがダメなんじゃない。本当はお客さんだってワンストップでいろんな商品を買いたいと思っているのに、『いざ来店しても欲しいものがない』という状況になってはいなかったか」

 たとえばヨーカ堂は2015年以降、セブン&アイ傘下の百貨店であるそごう・西武と連携。日仏の著名デザイナーと組んだプライベートブランド(PB)商品を相次いで企画、売り出している。だが「ヨーカ堂に尖ったファッションが求められているとは思えない」(三枝社長)。

 お客はカジュアル着や値ごろな肌着・靴下を欲しいと思っているのに、店頭で目立つのは斬新なデザインの商品ばかり。日常使いの衣料品の販売がなくなったわけではないが、商品開発のリソースはどうしても分散する。買いたい服がないと感じたお客は、次第に衣料品売り場から遠ざかることになるだろう。三枝社長は「我々経営陣も含めて、リーダーの強烈な反省が必要」と指摘する。

コメント5件コメント/レビュー

あぁ良かった。ちゃんとした人が居たんだな、イトーヨーカドーにも。(2017/03/18 17:03)

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「私は伊藤派でも鈴木派でもない」の著者

藤村 広平

藤村 広平(ふじむら・こうへい)

日経ビジネス記者

早稲田大学国際教養学部卒業、日本経済新聞社に入社。整理部勤務、総合商社インド拠点でのインターン研修などを経て、企業報道部で自動車業界を担当。2016年春から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

あぁ良かった。ちゃんとした人が居たんだな、イトーヨーカドーにも。(2017/03/18 17:03)

 さりげなく書いてあるけど、普通小売店舗で名刺交換なんかあるだろうか。他社の人や取引先ならまだしも。もしイトーヨーカ堂でそれが常態なら、他社とは違った仕組み(人や情報の流れ)があるのかもしれない。もう少し突っ込んだ分析が欲しい。おそらく三枝氏の問いかけもそこいらへんにある。

 それと三枝氏が言っていることは、ローソン(だったか)の記事にあった、”ゆるやかな統合”といった連邦制度の考え方と同じ。せっかくインタビューで肉声が聞けているんだから、さらに詳細を分析できなきゃ。

 いまだにカリスマなぞと言う言葉を前ふりに置きっ放し、ということは、やっぱり個人崇拝のままか?(2017/03/18 16:38)

お客様志向的な事が多く語られますが
営業中の店内で、店長やスタッフが揃って自社の社長と名刺交換している。写真まで撮らせている。
これに、何とも感じない事が1番の問題だと気づく事が重要では…
伊勢丹や三越もしかり、幹部が構造改革や仕組みばかりに目が行き、肝心な現場やお客様目線になれない
今回の写真は現場の責任者である店長もしかりなところが客離れもかなり重症かなと感じます。
ECとリアル店舗の最大の違いはそこに商品があり、人がいる事
カテゴリーキラーと総合スーパーの違いは地域の生活に密着できる事
この違いを生かさない限り、利用価値は下がるだけだと思います。
再定義ではなく、脈々と続く存在意義では…(2017/03/18 13:02)

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