Winter Festa2017-2018

米原発作業員も呆れ顔、東芝がハマったWHの泥沼

「2か月間、ただ座っているだけで給料がもらえた」

 3月29日、東芝の米原子力子会社ウエスチングハウス(WH)が米連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請した。債務保証の履行などによって、2017年3月の東芝の連結最終赤字は1兆100億円に拡大する見通しだ。2009年3月期に7873億円の最終赤字を出した日立製作所を上回る、製造業で史上最大の赤字額である。名門、東芝を債務超過にまで追い込んだ米原発建設の底なし沼。建設にかかわった作業員はどう見ているのか。現場の声を聞いた。

(ニューヨーク支局 篠原匡、長野光)=敬称略

WHが建設を手がけるボーグル原発(ジョージア州)の全景
ジョージア州ウェインズボロにあるボーグル原発。右側の2機が建設中の3号機と4号機。チャプター11(米連邦破産法11条)の適用を申請した直後の3月29日に訪ねたが、建設工事はちゃんと続いていた。もともとの完成時期は3号機が2016年、4号機が2017年だが、着工から4年が経過した現在も3割程度しか完成していない。発注者は米電力会社サザン・カンパニー。(写真:篠原匡)

「間違った会社が工事を始めた」

 ウエスチングハウスは「航空機の衝突などに備えた設計変更や許認可の遅れが、工事が遅れている原因」(※参考 2017年3月13日配信記事「東芝存続には、WHの“破産”以外に道はない」)と日経ビジネスの記者に述べているが、現場に出入りしている作業員は、それだけではないと語る。

 例えば、2011~14年の3年間ボーグル原発で働いていたジョーンズ(本人の希望で仮名)は「間違った会社が工事を始めた」と語り、工事を請け負っていた原発のエンジニアリング会社、米CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W、2015年12月にWHが、米CB&Iから買収した企業。底なし沼となった原発建設の元凶。※参考 2016年12月28日配信記事「東芝、原発事業で陥った新たな泥沼」)を批判した。

東芝の綱川智社長は3月29日の会見で、米子会社ウエスチングハウス(WH)の米連邦破産法11条(チャプター11)の適用申請について説明した。同時に、東芝の2017年3月期の連結最終損益が1兆100億円の赤字となる可能性も発表した。ウエスチングハウスがチャプター11の適用を申請したことで足元の出血は止まるが、工事の進捗次第ではさらなる損失もあり得る(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

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いただいたコメントコメント18件

非常に興味深い記事でした。私は株主として東芝の行く末を見守っておりますが、西田・佐々木体制での割高な買収劇よりも、むしろWHとCB&I、WHとスキャナ電力との契約内容の不備が今回の事態を招いた元凶だと考えております。WH幹部とCB&I幹部、契約の際に雇った法律事務所、そして最後にNRC委員への取材が行われることを期待しています。(2017/04/06 22:59)

根拠薄弱な楽観的シナリオを描きながらアメリカの原発ビジネスに乗り出し、社員とその家族を苦境に陥れた経営者の責任は当然大きいが、それだけではこの惨状の説明はつかないだろう。そもそもWHの買収案件自体、脇の甘い東芝を罠に嵌めようという売り手側、或いは第三者の悪意があったのではないか?東芝の存続危機の裏側で易々と儲けているのは誰なのか?当然高給の現場作業員だけではないだろう。そのあたりにも焦点を当てた取材が行われてゆくことを期待します。(2017/04/05 20:48)

この状況を東芝幹部は知っているんでしょうか。
このような状況で作られる原発が、純粋に設備としてまともに機能しうるのかすら疑問です。コスト以前の問題で、一度事故が起きれば深刻な被害をもたらすと判りきっているのに、何もマネジメントされてないに等しいではないですか。

これを見てさっそく原発を廃止せよと極論が見受けられるが、原発というテクノロジーが悪いのではない。テクノロジーを扱う人間が無能なだけだ。全人類を見渡してもこのテクノロジーを扱える人的資源がないならば、原発廃止論も肯定するけど。(2017/04/05 08:57)

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