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味の素「水曜は午後5時に“強制”退社」の理由

西井社長に聞く(前編)「2年前倒しで世界基準の働き方へ」

  • 長江 優子

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2017年4月14日(金)

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味の素が働き方改革に力を入れている。4月から月額給与を一律1万円ベースアップしつつ、年間総実労働時間の削減を当初計画よりも2年前倒しで実施し、欧米企業並みの1800時間にすることを目指す。長時間労働が社会問題となっている日本の産業界で、率先して働き方改革に挑む背景には、2015年に就任した西井孝明社長がブラジル勤務時代に感じた危機感があった。働き方改革に取り組んだ思いや、労使交渉の舞台裏を聞いた。

(聞き手 長江 優子)

西井孝明氏
1982年、味の素に入社。2004年に当時不振事業だった家庭用冷凍食品の責任者に就き、業績を改善。09年には人事部長を務め、11年に執行役員に就任する。13年にはブラジル味の素の社長に就任し、ラテンアメリカ本部長として南米駐在。15年に、味の素歴代最年少(創業家を除く)となる55歳で社長に就任した。(写真:的野弘路)

4月5日から、東京本社では毎週水曜日にはきっかり午後5時にビルそのものを閉館して、ある意味「強制的」に社員を退社させる取り組みが始まりました。

西井孝明氏:もともと水曜日は「ノー残業デー」で、午後6時までに帰宅するよう取り組んできました。4月1日からは当社の始業時間を30分早め8時15分にし、終業時間は午後4時30分に前倒ししています。それまでは始業時間が8時45分で、終業時間は午後5時20分。所定労働時間は7時間35分から7時間15分に減りました。それに合わせて、ノー残業デーの閉館時間も午後5時にしてみました。

今年2月に発表した中期経営計画では、働き方改革に取り組むことを掲げています。働き方改革には世間の関心も高まっていますが、味の素として力を入れる背景にはどういった狙いがありますか。

西井氏:きっかけはブラジル勤務時代での体験です。社長をやれと言われ、日本に戻ったら何をやろうかと考えたときに、働き方の改革をやろうと非常に強く決意していました。

 味の素は日本で誕生した会社です。日本では知名度もあり、採用ではそれほど苦労することはありません。ただ、海外では激しい人材の争奪合戦を繰り広げています。私のいたブラジルはもとより、中国、タイなどどこの国でも起きています。同じことが、日本では起きていないと見ることが、ちょっとおかしいと思っていました。実際には水面下で人材争奪戦が起きているのに、安定的に新卒採用やキャリア採用ができているので、気が付いていないだけではないかと。もっと優秀な人材が、実はほかの場所で働いている可能性もあるのではないかと考えました。

 もう一つは、女性の活躍です。私がいたブラジル本社は従業員に占める女性の割合が70%に達し、マーケティングやR&D(研究開発)、財務、法務などで活躍しています。工場や営業を含めても、女性の比率は40%です。一方、日本では約30%(2015年度)にとどまっています。

ブラジルでは従業員はどのような働き方をしていたのですか。

西井氏:メリハリの利いた時間管理をしていました。朝型で、夜はきちっと終わります。それと、経営者としては、年間総実労働時間の管理を重視していました。

 欧米の企業の年間総実労働時間は、おおむね1800時間くらいだと思いますが、日本の味の素では、私が戻ってきた2015年度の年間総実労働時間は1950時間程度でした。欧米企業の水準と比べると、1950時間というのは、非常に厳しい労働環境です。女性を含む優秀な人材を日本はもとより世界中から採用していくためには、この労働時間を削減する必要があると思います。

社長に就任してからこれまで、既に「ノー残業デー」の実施やテレワークの拡大など労働時間の削減に取り組んできていますが、2016年度の年間総実労働時間はどれぐらいになりそうですか。

西井氏:2016年度は1900時間になると見込んでいます。これをさらに短縮して、欧米水準の1800時間にしたい。年1800時間というのは、だいたい1日あたり7時間15分です。1日の労働時間を7時間にして、月に数時間の残業にとどめれば、達成できる計算になります。

 今回の中計では、業績だけではなく、働き方も2020年度までにグローバル企業並みにしたいと考えました。それを今年2月、2年前倒しして2018年度までに1800時間を達成しようと提案し、労使で合意できました。

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