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味の素「UMAMIで人類の食生活改善」の理由

西井社長に聞く(後編)「サステナブル経営にかじを切る」

2017年4月20日(木)

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「肉と野菜の摂取量」を経営指標に掲げたワケ

中期経営計画では、味の素の商品を通じて摂取できる肉や野菜の量や、家族などで食卓を囲む「共食」の回数などを、サステナブル経営の進捗具合を評価する指標の1つに採用しました(味の素、中計に「肉・野菜の摂取量」)。ユニークですが、分かりにくさはありませんか。

西井氏:サステナブル経営は「ESG」という観点で語られます。環境(Environment)とガバナンス(Governance)のところは分かりやすかったと思いますよ。例えば、環境は温室効果ガス、食資源、水資源などの項目で、具体的な目標数値を示していますから。ガバナンスについても、働きがいの向上などについて全社員を対象にしたサーベイの結果などをベースに、投資家と会話ができるようになります。

 一方、社会(Society)の観点では、食を通じた栄養状態の改善と、共に食べる喜びを増やすといったことを、具体的に企業としての成長にどのように結びつけるかを、数値目標として示しました。ただし、確かに難解だったかもしれません。

 今回の数値目標は、それぞれ対象となる商品の売り上げが増えれば、その結果として肉や野菜の摂取量が増えて栄養状態が改善する、あるいは共食の回数が増える、というロジックで作りました。これを、これから投資家と会話するときの1つの指標として使っていきます。

 投資家は、売り上げを伸ばすためにどのような施策を打っていくのかに関心がありますよね。例えば日本では、地方自治体と連携して、食を通じた栄養改善の取り組みを実施しています。スペシャルフードを摂取することによる栄養改善ではなくて、野菜と肉のバランスのいい食事を取り、うま味を使って減塩の効果がある料理を作りましょう、といった取り組みです。47都道府県のうち、昨年度は16都道府県と取り組みました。今後はさらに、展開地域を広げていく計画です。

 この取り組みのきっかけになったのは、東日本大震災の時から続けている「赤いエプロンプロジェクト」です。被災地の皆さんの仮設住宅に我々のボランティア社員が出向いて、そこで郷土の料理を一緒に作って、一緒に食べることで、偏りがちな栄養バランスを改善しようというものです。こうした活動がきっかけとなって、宮城県や福島県、岩手県などとパイプができて、より幅広い活動へとつながってきています。

 仮設住宅がなくなっても、栄養バランスのいい食事の大切さは変わりません。そこで、継続的に自治体の地産地消を推進する活動に併せて、地元のスーパーなどにも売り場を提供してもらうなどして、食事を通じた栄養改善を発信し続けています。

受験生向け「勝ち飯」も

こうした活動を、もっと広げていくのですね。

西井:ええ。こうした活動をこれから、どんどん広げようと考えています。

 例えば、味の素は日本オリンピック協会(JOC)と共同でトップアスリートを支援する「ビクトリープロジェクト」を展開してきました。アスリート向けに栄養バランスのいい食事を「勝ち飯」と名付けて提案してきましたが、そのノウハウを受験生にも応用できないかとか。

 このように、栄養バランスのいい食事と、それを実現する商品の展開を、これから具体的な施策にどんどん落とし込んでいくつもりです。こうした施策を積み重ねていけば販売数量は伸びていくでしょうし、その結果、肉と野菜をバランスよく摂取するようになって、人々の栄養改善にもつながっていく。それが、味の素が目指すビジネスを通じた社会課題の解決です。

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「味の素「UMAMIで人類の食生活改善」の理由」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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