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感染症対策で日本が国際貢献するための条件

第3回日経アジア感染症会議から浮かんだ官民一体の意義

2016年4月27日(水)

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 「感染症対策に対する官民協力イニシアチブが具体的な成果を挙げつつある。同時に、アジアの感染症対策に貢献する多様な技術シーズが我が国の企業や研究機関で開発されている。政府の動きに連動し、さらなる取り組みを進めていくことが重要だ」

 4月22~23日に東京都港区で開かれた第3回日経アジア感染症会議(主催・日本経済新聞社、日経BP社)。会議の最後に採択された声明文では、感染症対策の国際貢献を官民連携でさらに進めていくとの方向性が盛り込まれた。

今回で3回目を迎えた日経アジア感染症会議。研究者や企業関係者らが参加し、白熱した議論を繰り広げた

 エボラ出血熱や結核、ジカ熱に代表される感染症は、アジア・中南米など発展途上国を中心に猛威を振るっている。

 特に、西アフリカで多数の死者を出したエボラ出血熱について。世界保健機関(WHO)は今年3月に非常事態の解除を発表したが、今も予断を許さない状況が続いている。エボラと同じウイルス性出血熱であるラッサ熱も感染エリアが拡大しつつあり、WHOは注意を喚起している。

結核にも新たな脅威

 2014年に新たに結核に罹患した患者数は推定で960万人に上った。結核による死者数は約150万人。結核にかかって死亡する人の割合は1990年比で47%低下したが、新たな脅威も出てきた。結核治療に使われる、イソニアジドとリファンピシンという2つの薬剤が効かない「多剤耐性結核」がそれだ。多剤耐性結核の患者数は推定で48万人に上り、免疫機能を低下させるエイズウイルス(HIV)感染との併発も深刻な問題だ。

 蚊を媒介して人や動物に感染するジカ熱は、中南米を中心に急拡大している。ブラジルでは昨年だけで感染者数が推定で150万人に上った。WHOは今年2月、ジカ熱の流行について非常事態を宣言。感染者数は今後、400万人まで増える恐れがある。妊婦がジカ熱に感染すれば、「小頭症」を発症した子供が生まれる可能性があるが、ワクチンや特効薬はまだ世に出ていない。

 このような感染症は主に発展途上国で流行するため、日本など先進国では新薬開発のインセンティブが働きにくいという構造問題がある。そこで重要となるのが、官民一体での協力体制の構築だ。

 昨年開かれた第2回日経アジア感染症会議では、アジア医療イノベーションコンソーシアム結核部会の設置を決めた。多剤耐性結核の対策として、日本政府と民間企業に加え、アジアの結核蔓延国の政府、医療機関・大学などが連携。まずは手軽で精度の高い遺伝子検査で患者のスクリーニングを行い、結核患者の診断率を高めた上で、効果的に新薬を施す─―というパッケージでの医薬・医療サービスを提供する。アフガニスタンやフィリピン、インドネシアなどでは実際にプロジェクトが動き始めている。

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「感染症対策で日本が国際貢献するための条件」の著者

林 英樹

林 英樹(はやし・えいき)

日経ビジネス記者

大阪生まれ。神戸大学法学部卒業後、全国紙の社会部記者として京都・大阪で事件を取材。2009年末に日本経済新聞社に入り、経済部で中央省庁担当、企業報道部でメディア・ネット、素材・化学業界などを担当。14年3月から日経BP社(日経ビジネス編集部)に出向し、製造業全般を取材している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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