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タカタ、今度こそ最後の追加リコール

対象車両は全世界で1億台超へ、今後の課題は費用負担

2016年5月10日(火)

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 タカタとNHTSA(米運輸省・高速道路交通安全局)は5月4日、安全性を証明できていないタイプのエアバッグは全てリコール(回収・無償修理)する措置で合意した。米国で最大4000万個がリコール対象に加わる。米国以外でも同様の対応が進められそうだ。今回の合意は自動車メーカーや各国当局にとっても特別な意味がある。延々と拡大が続いてきたリコール対象の範囲が、ようやく確定するからだ。

 タカタ製エアバッグは、作動時に金属製部品(インフレーター)が異常破裂する欠陥が報告されている。今回の合意は、異常破裂が過去に1件でも起きていれば、同じタイプのエアバッグは全てリコールするというものだ。

 記者はタカタ製エアバッグが社会問題化した2014年春から取材を続けてきた。今回の合意には「ようやくここまで来たか」という感想を抱く。というのも、タカタ問題は①自動車メーカー各社がリコールを発表する②対象外だったエアバッグでも異常破裂が判明する③各社が追加リコールを発表する――というお決まりのパターンを繰り返してきたからだ。

リコール対象のインフレーター。中に入っている火薬の爆発力が強すぎるために、異常破裂して飛び散る恐れがある

 あらためて経緯を振り返ろう。タカタ製エアバッグをめぐる初めてのリコールは2008年11月。運転席エアバッグに製造上のミスがあったとして、ホンダが北米市場で始めた。このときの対象は約4000台に過ぎなかった。

 ところが、別タイプのエアバッグでも次々に欠陥が見つかる。自動車各社はそのたびにリコール対象の見直しを迫られた。2015年だけでも、記者は少なくとも20回は「自動車メーカーが追加リコールを発表した」という記事を日本経済新聞で書いた。対象台数は当初よりケタが4つ繰り上がり、世界で6000万台超という規模まで膨らんだ。今回の合意で、対象車両は全世界で延べ1億台を超えるのが確実となった。

 なぜリコール対象の拡大が止まらなかったのか。最大の原因は、異常破裂の原因を特定できなかったことにある。

 タカタは当初、自社工場における製造ミスを欠陥の原因とみていた。タカタはエアバッグを膨らます火薬として、化学物質「硝酸アンモニウム」を使う。この物質はもともと湿気に弱い性質を持っている。それにも関わらず、タカタの北米の工場では、火薬を湿気にさらされやすい状態で放置するなど、ずさんな品質管理が常態化していた。

 ところが、製造ミスが無かったはずのエアバッグでも異常破裂が起きる。米フロリダ州など1年を通じて気温が高く、湿度も高い地域からの報告例が多いため「どうやら生産に問題がなくても、車両が置かれた環境により湿気を帯びると経年劣化するらしい」とは分かる。だが、どれだけ湿気を吸うと異常破裂するのか、どんな設計が問題だったのかまでは分からない。

 原因を特定できなければ、適切なリコール対象も割り出せない。自動車メーカーは2003年1月製造のエアバッグで異常破裂が判明したので、ひとまず同年12月末までに生産した分など、暫定的なリコール対象の設定を続けるしかなかった。

 それだけに、今回の合意の意義は大きい。

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「タカタ、今度こそ最後の追加リコール」の著者

藤村 広平

藤村 広平(ふじむら・こうへい)

日経ビジネス記者

早稲田大学国際教養学部卒業、日本経済新聞社に入社。整理部勤務、総合商社インド拠点でのインターン研修などを経て、企業報道部で自動車業界を担当。2016年春から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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