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新型ミライース燃費据え置き、事故防止目玉に

ダイハツ、新型生産手法の具体化は見えず

2017年5月10日(水)

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ダイハツが9日発売した新型ミライース

 ダイハツ工業は9日、軽乗用車「ミライース」の全面改良車を発売した。ハイブリッド車の半分の価格で同等の燃費を実現したとして2011年の初代モデル発売時に「第3のエコカー」と話題を呼んだミライースは、ダイハツが軽トップの地歩を固めるための足掛かりになった。しかし、6年ぶりのリニューアルではガソリン1リットル当たり走行距離は35.2kmに据え置き。その分、運転ミスの防止などメーン顧客層の高齢者の事故対策に重きを置いた。三菱自動車工業などのデータ改ざんにも繋がった過熱した燃費競争は終焉に向かっている。

 「(先行受注している)8割のお客様がスマアシを導入している」。9日の会見で三井正則社長が発したこの一言が、軽自動車の燃費競争の終焉を象徴している。

 スマアシとは、自動ブレーキや車線逸脱警報などを備えた同社の安全支援システム「スマートアシスト」のこと。2012年の導入から改良を重ね、現在の第3世代は昨年発売の新型「タント」から搭載が始まった。これまでは単眼カメラとレーザーレーダーを用いて先行車を検知していたが、同じトヨタグループのデンソー製のステレオカメラを導入し、価格を抑えたまま歩行者の動きが検知できるようになった。

 新型ミライースの価格は84万2400円からで、スマアシを搭載すると6万4800円の価格アップとなる。「シンプルな機能を求め、価格を重視する傾向にある」(三井社長)というミライースのユーザーが安全機能にコストを払うことを厭わなくなったのは、ダイハツにとって軽自動車のニーズの変化を確認できる事象だった。

広がる「脱・燃費競争」の動き

 燃費よりも安全支援を重視する動きはミライースだけではない。ダイハツは昨年発売した新型「ムーヴキャンバス」でもステアリングの動きに合わせてヘッドランプが左右に動き、夜道で歩行者を視認しやすくする新機能を導入。ホンダも今年全面改良する「N—BOX」で安全支援システム「ホンダセンシング」を搭載する見込みだ。

 昨年発覚した三菱自動車とスズキの燃費不正問題は、カタログ燃費の信用性を揺らがす結果になり、ガソリン価格下落をきっかけとした脱・燃費競争の動きを加速した。

 さらに、近年相次いでいる高齢者の運転ミスによる事故が安全志向を強めることにつながっている。警察庁によると、75歳以上の運転手が起こした事故は年間約450件と横ばいで推移。死亡事故の全体の件数が減る中で高止まりしている。昨年10月には横浜市で小学生の集団登校の列に80代の男性の軽トラックが突っ込み、当時6歳の男児が死亡するなど、痛ましい事故も起きている。

 三井社長は「毎日のように高齢者の事故のニュースを聞くようになった。自動運転の議論をする前に取り組まなければならないことだと考えている」と表明。現在スマアシの導入実績は120万台だが、今年度は150万台、来年度200万台を目標に掲げ、アフターサービスでスマアシを後付けできる態勢も今後整えていくという。

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「新型ミライース燃費据え置き、事故防止目玉に」の著者

寺岡 篤志

寺岡 篤志(てらおか・あつし)

日経ビジネス記者

日本経済新聞で社会部、東日本大震災の専任担当などを経て2016年4月から日経ビジネス記者。自動車、化学などが担当分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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