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相次ぐ偽装があぶり出す発注者責任

東亜建設工業、施工データ改ざん問題の深層

  • 小原 隆=日経BPインフラ総合研究所上席研究員

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2016年5月30日(月)

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 羽田空港の地盤改良工事で、東亜建設工業が施工データを改ざんし、発注者の国土交通省関東地方整備局に虚偽の報告をしていた。その後、福岡空港や松山空港、八代港でも不正を行っていたことが分かった。建設業界の不正は、「全棟建て替え」に揺れるマンションの杭工事データ偽装問題が冷めやらぬ中、またもや起こった。

 問題の経緯を伝える関東地方整備局の発表資料には、「契約図書に基づく施工の達成率0%」「改良体の造成の達成率0%」「薬液注入量の達成率5.4%」が淡々と記載されている。あまりのずさんさにあぜんとしたが、悲しい気持ちにもなった。なぜ、東亜建設工業はここまでひどい不正に手を染めたのか。

東京国際空港C滑走路他地盤改良工事の施工不良の状況(資料:国土交通省関東地方整備局)

 東亜建設工業によると、羽田空港C滑走路の地盤改良工事では、コンクリート片や廃タイヤなど、着工前に想定していた以上の障害物が地中にあり、思うように削孔できなかったという(関連記事:全て施工不良、最初から偽装 東亜建設の羽田地盤改良 ※編注:リンク先の閲覧には有料会員登録が必要な場合があります)。

 不正が発覚した工事はいずれも、東亜建設工業が開発した「バルーングラウト工法」を採用している。不正行為には、羽田空港H誘導路は東京支店の土木部長、同C滑走路は東京支店長、福岡空港は支店の課長、松山空港は現場所長がそれぞれ関与していた(関連記事:福岡・松山空港でも偽装、開発チームが全て関与)。

不正が発覚した5件の工事の施工不良の概要(資料:国土交通省と東亜建設工業の資料を基に日経コンストラクションが作成)

 発注者は、不正を生んだ背景をどう考えているのだろうか。

 確かに、契約図書における発注者の監督と検査はきちんと行っていたようだ。受注者がモニター表示を改ざんし、採取資料をすり替え、虚偽の報告をするという想定外の不誠実な行為がなされたため、発注者はだまされてしまった。地盤面下の施工の出来形や品質は目視で確認しにくく、データに頼らざるを得ないため、チェックの盲点を突かれた面もあるかもしれない。

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