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「ファミチキ先輩」はファミマを救うか

新CMシリーズ、あえて商品を打ち出さず

2017年6月6日(火)

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 ファミリーマートは6月5日、テレビCMの新シリーズを発表した。商品そのものの魅力を前面に打ち出すのではなく、看板商品をモチーフにした独自のキャラクターが、コメディータッチで「ファミマ愛」を訴える物語に仕立てたのが特徴だ。コンビニ業界ではセブンイレブンが圧倒的な数量の広告宣伝を展開し、店舗の売り上げでもファミマを大きく引き離す。これまでにない尖った新CMで、ファミマは消費者を振り向かせることができるか。

ファミマを愛する「ファミチキ先輩」がやたらとハイテンションで店舗業務をこなす(新しいテレビCMの一場面)

 真ん中にミシン目の入ったおなじみの紙袋を上半身にまとって、やたらとハイテンションで店舗業務をこなす。そんな「ファミチキ先輩」が、お客と触れ合ったり、ときに同僚の女性店員に恋心を寄せたりする……。ファミマが6月6日から放映するテレビCMの新シリーズのストーリーだ。

 シャキシャキのレタスを挟み込んだサンドイッチ。あるいは湯気が立ちのぼるおでん。もしくは、炭火でじっくり炙りあげられた焼き鳥。コンビニ会社のテレビCMといえば、これまで商品の魅力に焦点をあてるのが王道だった。

 「今回も、当初は(五感を刺激して食べたいと思わせる)『シズル感』を意識したCMが提案されていた」。関係部署のある社員はそう明かす。だが、沢田貴司社長には「それでは世の中と同質化してしまう」との危機感があった。

沢田社長はセブンイレブンなど競合との「同質化」への危機感を語った(2017年6月5日、東京都目黒区)

量で圧倒するセブンイレブン

 同質化とは何か。素直に読み解くならば「最大手のセブン-イレブン・ジャパンと同じになってしまう」という意味だろう。

 セブンイレブンは2017年2月期に、690億円超の広告宣伝費を計上している。販売費及び一般管理費全体のうち13%という水準だ。対するファミマの宣伝販促費は255億円。販売費および一般管理費の7%にとどまる。店舗数ではセブンイレブンが2月末で19422店、ファミマが同じく18125店(サークルKサンクス含む)とほぼ肩を並べつつあるのに、広告宣伝に費やす金額ではこれだけの差がついている。

 放送回数でも、セブンイレブンはファミマを引き離す。CM総合研究所(東京都港区)の調べによると、東京キー5局で16年4月~17年3月に放映されたセブンイレブンのCMは5437回。ファミマの1699回を大きく上回っている。ファミマの沢田社長は5日の記者会見で「CM放映数をこれまでの2倍に増やす」と宣言したが、それでもセブンイレブンの背中は遠い。

 親会社、ユニー・ファミリマートホールディングスの高柳浩二社長は今年4月、通期決算の発表会で「下位企業の強みは、上に立派な事業モデルがあること」と語った。しかし、セブンイレブンと似たようなCMを流していては、数量で劣るファミマの埋没は避けられない。

 沢田社長は就任直後の16年9月、「ファミマの象徴となるような良い商品がないわけではない。あるんだけど、なんかない。お客まで伝わっていない」と語っている(ファミマ沢田新社長「バカでも何でもやる」)。そこで就任3カ月後には自身直轄のマーケティング委員会を設置。営業・商品・広告宣伝の各部門一体でマーケティング戦略を練ってきた。今回はその成果を世の中に問う施策の第1弾といえる。

コメント1件コメント/レビュー

 たしかに遺産をいまは使っていくしかない。ただ数年前の7/11に見られるように、現在は(最後には””おいしい”としかいえない)商品のよさをアピールしていた姿勢が、「どうやって売るか」という視点に切り替わり始めている。
 さすがに最初だから、粗が目立つにせよ、これからが楽しみだろう。

 そして現在、おおかたの業界再編がおわり、新たな方向性を社の内外に明示することで、商品自体ではなく売れる、そして儲かるチェーンであることを示す必要がある。
 当然次に来るのは、店舗のリニューアルから始まるドミナントの活性化だろう。

 来るべき大攻勢の取材をしておけ。(2017/06/06 09:51)

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「「ファミチキ先輩」はファミマを救うか」の著者

藤村 広平

藤村 広平(ふじむら・こうへい)

日経ビジネス記者

早稲田大学国際教養学部卒業、日本経済新聞社に入社。整理部勤務、総合商社インド拠点でのインターン研修などを経て、企業報道部で自動車業界を担当。2016年春から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

 たしかに遺産をいまは使っていくしかない。ただ数年前の7/11に見られるように、現在は(最後には””おいしい”としかいえない)商品のよさをアピールしていた姿勢が、「どうやって売るか」という視点に切り替わり始めている。
 さすがに最初だから、粗が目立つにせよ、これからが楽しみだろう。

 そして現在、おおかたの業界再編がおわり、新たな方向性を社の内外に明示することで、商品自体ではなく売れる、そして儲かるチェーンであることを示す必要がある。
 当然次に来るのは、店舗のリニューアルから始まるドミナントの活性化だろう。

 来るべき大攻勢の取材をしておけ。(2017/06/06 09:51)

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三品 和広 神戸大学教授