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小国ルクセンブルク、宇宙資源開発に名乗り

宇宙ベンチャーに相次ぎ触手、その理由とは

2016年6月9日(木)

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ルクセンブルクは、宇宙資源の調査を政府の重要政策として推進していくことを明らかにした。写真は誘致した宇宙ベンチャーの1社、米ディープスペースの探査機のイメージ。(提供:Deep Space Industries / Bryan Versteeg)

 202X年、X月X日。欧州時間の未明に打ち上がったロケットから切り離された着陸船が、小惑星に着地した。格納庫の扉が開き、無人探査機が姿を現すと、ほどなくして未知なる大地を走り始めた。目的は、宇宙開発に有用な鉱物資源などを採掘すること。遠く離れた地球の監視センターでは、順調な滑り出しに安堵の表情を浮かべるプロジェクトチームが固い握手を交わしていた――。

 人類最後のフロンティア、宇宙。今年、新たな国が宇宙探査への本格参戦を表明した。人口約50万の欧州の小国、ルクセンブルクである。

 米国ではイーロン・マスク氏率いるスペースXに代表される宇宙ベンチャーが次々と勃興する一方、インドが有人宇宙船を打ち上げる計画を進めるなど、宇宙を舞台にした開発競争は世界規模で激化している。日本も目下、宇宙開発戦略本部が主体となって、宇宙開発に向けた取り組みを強化中だ。

 そんな中、ルクセンブルク政府は今年2月に「SpaceResources.lu」と呼ぶ基本計画を発表した。宇宙資源の探査を国家の重点政策に位置づけ、ルクセンブルクを小惑星の資源探索を担うグローバルハブ(国際拠点)とすることを目指す。

 「宇宙開発」と聞くと、一般には人口衛星やロケット、宇宙船などが浮かぶ。ルクセンブルク政府も、これまで衛星通信や航空・海洋監視などの宇宙関連産業は手がけてきたが、今回焦点を当てるのは地球近傍天体(NEO)と呼ばれる、地球に接近する軌道を持つ惑星探査。惑星に探査機を送り込み、そこに眠る鉱物などの資源調査・採掘活動を支援する。

世界の有力宇宙ベンチャーを誘致

 ロケット開発に比べれば地味に見えるが、宇宙開発における重要性は高い。将来の宇宙開発コストを大いに左右する可能性があるからだ。

 現状の宇宙開発は、基本的にすべての資源を地球から打ち上げる輸送機に乗せて運んでいる。他に選択肢がないためだが、輸送のためのコストと時間は膨大にかかる。今後のさらなる宇宙開発の発展を考えると、この方法は永続性に乏しい。

 課題を解消するには2つの方法しかない。1つは、輸送コストを劇的に下げること。米スペースXなどが開発を進める繰り返し打ち上げ可能なロケットは、この輸送費用の低減という文脈に沿ったものと言える。

 そして、もう1つの課題解決手段として議論されているのが、宇宙資源を活用する方法だ。端的に言えば、将来的に宇宙開発の資材などに活用できそうな資源を地球以外の惑星から調達する。例えば、発見されれば宇宙開発が劇的に進むと言われているのが「水」の発見だ。水素や酸素に分けることで様々なエネルギー用途に応用できる。宇宙資源探査は、そのための基礎調査の重要な一歩となる。

 もちろん、地理的・人的資源の限られたルクセンブルク政府が探査機を開発するわけではない。宇宙資源開発に意欲的な企業が活動しやすい環境を整え、多くの企業を誘致することが基本的な産業育成の柱だ。

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「小国ルクセンブルク、宇宙資源開発に名乗り」の著者

蛯谷敏

蛯谷敏(えびたに・さとし)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション編集を経て、2006年から日経ビジネス記者。2012年9月から2014年3月まで日経ビジネスDigital編集長。2014年4月よりロンドン支局長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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