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「農福連携」の先に見える希望

自然栽培農法で障害者の自立と耕作放棄地の再生図る

2016年6月20日(月)

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 6月上旬、首相官邸で開かれた「安倍首相と障害者との集い」。車いすダンスや石見神楽、瑞宝太鼓などのパフォーマンスを繰り広げる団体とともに、自然栽培による農業で障害者の自立を支援する活動を展開している一般社団法人、農福連携自然栽培パーティ全国協議会が招かれた。

首相官邸で開かれた「安倍首相と障害者との集い」。安倍首相の左隣が自然栽培パーティのメンバーの1人、池田浩行氏

 「農業と福祉の『農福連携』においては、普通のレベルよりもさらに高いレベル、日本一のレベルで無農薬、有機の栽培を行い、非常に付加価値の高い農産品を作っている」

 安倍晋三首相が驚いたのも無理はない。農薬などを使う通常の「慣行農法」と比べ、農薬や化学肥料はもとより、動物性有機肥料も堆肥も一切使わない「自然栽培」は作付けから収穫までの手間が計り知れず、困難を極める。

 そんな農業に障害者が取り組み、収穫した農産物を障害者施設や介護施設などで食材として使うと同時に、外部に販売して自立を図る。自然栽培パーティは立ち上げからわずか1年余りで、全国約30の事業所に活動の輪が広がり、福祉と農業の新たなサイクルを確立しようとしている。

東京五輪・パラリンピックでの食材提供目指す

 儲からない、跡取りがいない、環太平洋経済連携協定(TPP)締結後に予想される輸入農産物の急増と、日本の農業は課題が山積している。一方、少子高齢化の進展によって社会保障費が膨らむ中、障害者福祉への財源の確保はますます厳しくなりつつある。

 掛け算でマイナスとマイナスを掛けるとプラスに転じるように、これら2つの日本の課題を掛け合わせることで同時に解決を図ろうとするのが、この「農福連携」だ。

 2018年末までに全国250カ所の障害者施設が1250ヘクタールの耕作放棄地を再生し、自然栽培の付加価値で収益力を高めて5000人の障害者が1人平均月額3万5000円の工賃収入を得る――。自然栽培パーティはこんな数値目標を掲げるとともに、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの選手村に食材を提供することを目指している。

 自然栽培パーティで理事を務める池田浩行氏は福岡市の隣町、糸島市でNPO法人、伊都福祉サービス協会の理事長を務めながら、農福連携に従事している。

 「後継者不足などで耕作放棄地となる農地が全国で増え続ける中、私たちの活動を通じて農地の再生につなげることができる。障害者の方は工賃が収入として加わり、自立への道筋も付けられる」と池田氏は指摘する。

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「「農福連携」の先に見える希望」の著者

西頭 恒明

西頭 恒明(にしとう・つねあき)

日経ビジネス副編集長

1989年4月日経BP社入社。「日経イベント」を経て、96年8月「日経ビジネス」編集部に異動。2008年10月日経ビジネス副編集長。2009年1月日経情報ストラテジー編集長。2012年1月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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