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英国の女性議員殺害が問う“憎悪扇動”の大罪

EU離脱の国民投票直前に起きた悲劇の裏側

2016年6月20日(月)

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 英国のEU(欧州連合)離脱を問う選挙戦が終盤を迎えようとする中、6月16日、野党労働党の新人女性議員が白昼、地元で銃撃を受けた上に刺され、死亡するという事件が起きた。

 容疑者は50代の白人の男で、目撃証言によれば「ブリテン・ファースト!」と叫びながら議員を襲撃したとされている。

 「ブリテン・ファースト」とは反移民、反イスラムを掲げる英国の極右政党の名前とも同じであり、これが団体名を指したものなのか、言葉の通り“英国至上主義”を示したものなのか、本稿執筆現在(17日午後)、犯行に至った動機も含め、確認されていない。一部報道によれば、容疑者が精神的な疾患を持っていたとも、また、米国の白人至上主義の過激派団体より、銃の作り方を取り寄せたとも言われている。

犠牲になったコックス氏は人道支援を続けてきた

 犠牲となったのは、労働党議員のジョー・コックス氏(41)。国会議員になったのは去年5月で、政治家になる前は英国の大手NGO(非政府組織)、オックスファム(Oxfam)で人道支援キャンペーンを主導するなどし、ダルフールで性的暴力を受けた女性、ウガンダで戦わされた少年兵などを支援する活動を精力的に行った。また、セーブ・ザ・チルドレン、英国児童虐待防止協会(NSPCC)などのNGO団体に在籍した経験もあり、貧困や差別問題にも積極的に取り組んだ。

 議会での初演説においてコックス氏は「こんな多様な選挙区を代表できることは、喜びである(中略)私たちのコミュニティーはカトリック系のアイルランド人であれ、インドのグジャラート、あるいはパキスタンの、主にカシミール出身のイスラム教徒であれ、移民によってその価値がより深められた。こうした多様性を尊ぶとともに、選挙区を回るたび、私はいかに互いの中に、違いよりも共通項が存在し、より団結しているのかに驚かされる」と述べた。シリア難民の支援に関しても積極的に発言し、この問題に取り組む議会グループを設立、下院での議論も主催した。

 一方で、英国の大手新聞・テレグラフによれば、コックス議員は過去に極右政党「ブリテン・ファースト」の差別主義とファシズムを糾弾する発言を行っているとされる。「ブリテン・ファースト」は襲撃の直後、リーダーがビデオメッセージで、事件との関与を否定する声明を発表した。

コメント15件コメント/レビュー

仮に私が有権者だったなら、離脱に投票しました。離脱派の言い分は理解できます。移民・難民とも、当事者ならメルコジ等の冷たい国家より「ゆりかごから墓場まで」の国を目指す方が有利でしょうし、メルコジも押しつけた方が都合良いに決まってます。その負担は英国だけが担いますから。英国からすれば、それに見合うだけの見返り(EU域内の関税廃止等がそれに当たるといえるか?という意味で)が足りないと考えれば、残留する価値が無いという判断に至るのもやむなしでしょう。部分最適と全体最適の矛盾と言えばそれまでですが、20国も参加していれば全体最適を実現できると考える方に無理があります。安易な拡大路線を進めたEUにも問題ありでしょう。◆
そんな思想の身から見ても、彼女への暗殺行為は非難されて当然です。が、暗殺がなければもっと大差で離脱多数になっただろうと思っていましたし、直前までは暗殺の反動で残留有利かと思っていたので、ある意味では意外でした。◆
土日と時間が経過するにつれて、メディアでも分析が増えてきました。年齢層別分布を見れば「やはり」と思わせた結果でしたが、地域別に色分けされた地図を見たときには正直おもしろいと思ってしまいました。今後は、北部の独立運動が再燃することでしょうね。これはEUに残ろうと離れようと、英国内の問題です。◆
もっとも、そのメディアは視聴率等の数値が文字通り生命線である以上、ウケの良い方向へ進むか、酷い場合はマッチポンプになるか、という悪例はいくらでもあります。日本の五大紙でも「誤報」だと日本版では報道しながら、英字版では触れないなど、恣意的な報道が巻き起こす不幸な事件がなくなりませんから。(2016/06/27 11:07)

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「英国の女性議員殺害が問う“憎悪扇動”の大罪」の著者

伏見 香名子

伏見 香名子(ふしみ・かなこ)

フリーテレビディレクター(ロンドン在住)

フリーテレビディレクター(ロンドン在住)。東京出身、旧西ベルリン育ち。英国放送協会(BBC)東京支局プロデューサー、テレビ東京・ロンドン支局ディレクター兼レポーターなどを経て、2013年からフリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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仮に私が有権者だったなら、離脱に投票しました。離脱派の言い分は理解できます。移民・難民とも、当事者ならメルコジ等の冷たい国家より「ゆりかごから墓場まで」の国を目指す方が有利でしょうし、メルコジも押しつけた方が都合良いに決まってます。その負担は英国だけが担いますから。英国からすれば、それに見合うだけの見返り(EU域内の関税廃止等がそれに当たるといえるか?という意味で)が足りないと考えれば、残留する価値が無いという判断に至るのもやむなしでしょう。部分最適と全体最適の矛盾と言えばそれまでですが、20国も参加していれば全体最適を実現できると考える方に無理があります。安易な拡大路線を進めたEUにも問題ありでしょう。◆
そんな思想の身から見ても、彼女への暗殺行為は非難されて当然です。が、暗殺がなければもっと大差で離脱多数になっただろうと思っていましたし、直前までは暗殺の反動で残留有利かと思っていたので、ある意味では意外でした。◆
土日と時間が経過するにつれて、メディアでも分析が増えてきました。年齢層別分布を見れば「やはり」と思わせた結果でしたが、地域別に色分けされた地図を見たときには正直おもしろいと思ってしまいました。今後は、北部の独立運動が再燃することでしょうね。これはEUに残ろうと離れようと、英国内の問題です。◆
もっとも、そのメディアは視聴率等の数値が文字通り生命線である以上、ウケの良い方向へ進むか、酷い場合はマッチポンプになるか、という悪例はいくらでもあります。日本の五大紙でも「誤報」だと日本版では報道しながら、英字版では触れないなど、恣意的な報道が巻き起こす不幸な事件がなくなりませんから。(2016/06/27 11:07)

今回の議員殺害は
「EU残留支持に賭けたヘッジファンド」が雇った
殺し屋の仕業だと、思っています。
1人の命で数億ドル儲かるのならば、殺しの報酬も桁違いでしょう。
スパイ映画の見過ぎか、どうしてもこの考えに至ってしまいます。(2016/06/21 12:10)

もう書かれている方もいますが、この記事の趣旨は、「憎悪をあおるメディアと政治家」に対する批判です。人種・陣営を分けて互いに対立をあおり憎悪を募らせる。憎悪はいずれ爆発して暴力となり、それがまた憎悪を煽るという負の連鎖を続けてはだめだということです。 残された議員の夫君も憎悪に負けないことを訴えています。

難民問題、移民問題は難しい課題であり、地域・国で事情も異なりますが、いずれにせよ、賛成派・反対派、そして当の移民・難民が、互いを憎しみ罵り合うような状況は避けるべきです。(2016/06/20 18:18)

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