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派遣法改正は「非正規ループ」の突破口

「生涯派遣」「雇い止め量産」という机上の空論

  • 山内 栄人

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2015年6月26日(金)

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 労働者派遣法の改正を巡って、国会が大荒れとなっている。乱闘騒ぎで負傷者が出る事態を経て、6月19日に衆議院を賛成多数で通過。議論の場は参議院に移り、本国会で成立する見込みだ。だが、現在も民主党を中心とした野党は、なおも「廃案にすべき」と強く訴えている。一部マスコミにも「派遣労働者」のためにならないとして、この改正に批判的な論調がある。

 反対派は、法改正によって派遣労働者が「生涯派遣」に陥るリスクが大きいという。今回の法改正では「派遣先企業が同じ業務に派遣労働者を継続して受け入れられる期間は、専門業務などを除いて原則1年から最長3年」というルールを撤廃し、「派遣労働者を3年ごとに変えれば期間に制限なく派遣できる」というものだ。派遣労働者は3年ごとに職場を転々とすることとなり、永遠に派遣労働から抜け出せなくなるとの主張だ。また「3年で雇い止め」という事態が続出する、との指摘もある。

 筆者はかつてニート、フリーターを経て工場で請負作業者として非正規社員と肩を並べて一緒に働いた経験がある。その後は、コンサルタントとして派遣業界の現場を長年見てきた。その経験から今回の法改正は、むしろ派遣労働者にこそメリットが大きいと考えている。派遣現場の実状を知れば、「生涯派遣」や「雇い止めの続出」などという懸念は、全く当たらないと断言できる。

生涯派遣論は真の問題から目を背けている

 そもそも「生涯派遣」という言葉そのものが、問題設定を間違えている。真の問題は、真面目に働く労働者が非正規から抜け出せないというループに、日本の社会が「既に」陥っていることだ。反対派の主張とは裏腹に、今回の派遣法改正の内容は、この「非正規ループ」を断ち切るキッカケになりうるものなのだ。 

 それを理解するために、まず現在の派遣法の成り立ちを見ていこう。

 派遣法のベースには「常用代替防止」、という考え方がある。派遣先の常用雇用労働者(いわゆる正社員)が、派遣労働者に取って代わられることを防止するという意味だ。正社員の仕事を派遣社員がこなせば、「安定した望ましい働き方」である正社員の雇用が減る。これを防ぐため1986年に派遣法が成立した当初は、ソフトウエア開発、通訳・翻訳・速記など専門的な業務のみを派遣可能とした。元々、正社員がやっていない専門的業務なら、派遣を受け入れても正社員の人員削減には繋がらないからだ。

 そして、1999年に派遣法が改正され、派遣が原則自由化された。前述の専門業務以外、例えば一般事務や営業なども、派遣社員がこなせるようになったのがこの時だ。ここでも「常用代替防止」の考え方は温存された。といっても、新たに自由化された業務はどうしても、正社員の役割と重複することになる。そこで「常用代替防止」のために生まれたのが、専門業務には無い「期間制限」という考え方だ。

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