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英離脱、日本政府は経済対策の策定前倒しへ

円急騰なら単独の円売り介入も辞さず

2016年6月28日(火)

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英国のEU(欧州連合)離脱決定にともない、政府・与党は経済対策の策定を前倒しする検討に入った(写真:ロイター/アフロ)

 政府・与党が経済対策の策定を前倒しする検討に入ったことが明らかになった。これまでは8月以降に策定作業に着手する方向だったが、英国のEU(欧州連合)離脱決定に伴う市場の動揺や景気下振れに備え、作業を急ぐことにした。世論や国内外の投資家に迅速な取り組みをアピールする狙いもある。7月10日投開票の参院選が終わり次第、安倍晋三首相が策定を指示する方向で調整する。

 また、政府・日銀は円が急騰し、円相場が再び節目の1ドル=100円台を突破するようなら日本単独での円売り介入も辞さない構えだ。短期的な市場の動揺への対応を強化するとともに、円高・株安による企業業績や個人消費への影響を食い止めるため、政策を総動員する。

1ドル=100円突破なら介入辞さず

 「ブレグジット(英国のEU離脱)ショック」に見舞われ、6月24日の日経平均株価の下げ幅は16年ぶりの大きさを記録。安全通貨への逃避が進み、円相場は一時1ドル=99円ちょうどを付けた。100円突破は2013年11月以来のことだ。

 市場の混乱に対し、安倍政権は危機感を強めている。円高・株安傾向が長引けば企業業績や個人消費への影響は必至。アベノミクスや政権そのものへの世論の支持が大きく損なわれ、参院選やその後の政権運営に影響を及ぼす可能性が大きいためだ。

 「だから、世界経済のリスクは軽視できないと言ったんだ」

 安倍首相は24日、急激な市場の混乱を踏まえ、周辺にそう漏らした。街頭演説では「5月の伊勢志摩サミットで、私は議長として、英国のEU離脱など新たな危機に対応するため、あらゆる政策を総動員するとの首脳宣言をまとめた。準備は既にしていた」と強調。「今、日本に求められているのは政治の安定だ。共産党や民進党を勝たせるわけにはいかない」と訴えている。

 これに対し、攻め手を得た形の野党はアベノミクス批判を展開。民進党の岡田克也代表は「円安と株高が逆回転を始めていて、英国のEU離脱が拍車をかけている。アベノミクスの宴は終わった」と力を込める。

 EUからの離脱という予想外の結果となったことで投資家のリスク回避の動きが活発化。世界景気の不透明感が増したことで、世界の金融市場は大きく揺さぶられている。ただ、政府内では2008年のリーマンショック時と今回の市場の混乱は質が違うとの見方が広がっている。

コメント5件コメント/レビュー

Brexitの投票結果で急激な円高・株安が生じたが,これは投機筋のリスク回避の為に生じたもので,実経済とは乖離している。これを正常化するのを躊躇う必要は無く,放置するのは良くない。あるべき姿についてはコンセンサスが必要なのは当然と思われる。(2016/07/04 17:00)

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「英離脱、日本政府は経済対策の策定前倒しへ」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

Brexitの投票結果で急激な円高・株安が生じたが,これは投機筋のリスク回避の為に生じたもので,実経済とは乖離している。これを正常化するのを躊躇う必要は無く,放置するのは良くない。あるべき姿についてはコンセンサスが必要なのは当然と思われる。(2016/07/04 17:00)

コメント欄の方の「ヨーロッパの春」とコメントされた方はお見事です。
「アラブの春」を散々持ち上げてきたマスコミが、民主主義(主権国家への)復活を望むイギリス国民の行動をポピュリズムの台頭と貶めている現状は目に余るものがあります。
そもそも、何故EU離脱派が人気になったのか…その要因を分析し、明らかにしているマスコミは殆ど見受けられません(最近になって移民問題をやっとピックアップしたぐらい)
また、EU離脱後のイギリス経済についても、マイナスの評価ばかりであり、プラスの側面(関税自主権の回復や、賃金の上昇により内需回復)を分析しているエコノミストがごく少数である点にも疑問を感じていました。
今回の件はリーマンショック(要するにバブル崩壊)とは性質を異にしていますし、EU各国がイギリスに対して懲罰的な対応を取らなければ、世界規模では大きな問題にはならない分析しています。(現在はそうなっていない)
マスコミもブレグジットの批判やマイナス面だけの報道だけではなく、賛同やプラス面の報道も行うべきではないでしょうか?
特に、(通貨の信任が厚くなりすぎて困っている)日本がイギリスに救いの手を差し伸べることも可能だと思うのですが・・・どうもそのような論調にならないことを気にかけています。
大手グローバル資本から睨まれたくないのは分かりますが(笑)(2016/06/30 12:05)

リーマン・ショックの時、専門家も政府も日本には影響がないと言っていたのに、実際には、大きな影響を受けたので、安倍首相のスタンスは、正しく好感が持てるものだと思います。

引き金を引いたのが、政治でも、
ファインドや銀行が傷んだ時、その被害を受けるのは実社会です。為替相場や株式市場の急激な変動は、ファンドや銀行で大きな損失が発生していることがあるので油断できません。
そういった意味では、リーマン・ショックの時と同じ崩れ方をする可能性は考えておくべきだと思います。

イギリスが離脱することになったECが、システムや運営の不備を自ら見直さないかぎり、ヨーロッパは安定しないのではないかと思います。

イギリスが、今後の方針を決めきれていないのが、問題を長引かせる原因になりそうです。決めたらきちんと速やかに行動に移すべきです。

マスコミが「ヨーロッパの春」という表現を使わないのが不思議です。(2016/06/28 21:21)

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