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現地レポート:国民投票「NO」に歓喜するアテネ

混乱必至の欧州経済、「ユーロ離脱」最悪シナリオも

2015年7月6日(月)

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7月5日のギリシャ国民投票によって緊縮財政の受け入れ反対派が勝利。広場で「OXI(オヒ=ギリシャ語でNO)」を連呼する国民

 緊縮財政の受け入れは「OXI(オヒ=ギリシャ語でNO)」――。

 7月5日午後10時過ぎ、アテネ市中心街にあるシンタグマ広場。欧州連合(EU)が求める財政緊縮策の受け入れについて賛否を問う国民投票の大勢が判明し、反対派が賛成派を上回ることが確実になったことが報じられると、集まった無数の市民が歓喜した。

 50代の女性は「もう緊縮財政はたくさんだ。我々の意思が反映された」と、興奮気味にまくしたてた。別の30代男性は、「ギリシャはギリシャのやり方でこれからもやっていく」と誇らしげに語った。「チプラスにはもう一度EUに交渉にのぞんでほしい」と言う40代女性もいた。

 広場に集まった人々は皆、思い思いの言葉で喜びを語っている。雄叫びあげる者もいれば、涙ぐむ姿もある。無邪気に勝利を祝う姿は、今年1月にアレクシス・チプラス氏(現首相)率いる急進左派連合(SYIRIZA)が勝利した総選挙の光景の再現のようだ。

アテネ市内のシンタグマ広場で歓喜する反対派のギリシャ国民

 ――しかし、ギリシャを取り巻く状況は今年1月とは違うのだ。この5カ月間で、取り返しのつかない状況に悪化した。自らを追い込んでしまったと言っていいかも知れない。それでもなお、彼らは本当にこの結果に素直に歓喜していられるのだろうか。

 EU(欧州連合)側に金融支援を打ち切られ、先月末に返済するはずだったIMF(国際通貨基金)への債務16億ユーロ(約2200億円)を支払えなかったギリシャ。国民投票で受け入れの是非が問われた「財政緊縮策」も、6月30日で打ち切られた金融支援を継続してもらう条件だったため、既に失効している。従って投票には「大義」はないのだが、チプラス首相は国民投票を強行した。

 5日深夜に記者会見したチプラス首相は、「この国民の意思を受け、あらゆる手をつくして難局を切り抜けたい」と語り、EU側に再び交渉を迫る意思を表明した。ヤヌス・ヴァルファキス財務相も、「我々のパートナー(EU)と妥協点を見出せることを信じている」と語った。

 EU側も、7月5日夕方、ドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領がパリで緊急会談を実施することを発表、その後、7日火曜に緊急のユーロ圏首脳会合の開催を提案した。ECBも6日に会合を開き、ギリシャへの緊急資金供給について電話会議を開催する予定である。

 ただ、これまでの経緯を考えれば、EU側とギリシャがこれまで通りの関係で交渉を再開するのは難しそうだ。国民投票はギリシャを予想される最悪のシナリオへと追い詰めつつある。

 約5年にわたって続けられてきたEUによるギリシャへの金融支援は、6日前の6月30日で終了している。その経緯と詳細は、こちらの記事に詳しいが、改めて簡単に振り返っておく。

 2010年のギリシャ債務危機以来、EUは約3170億ユーロ(約43.7兆円)とも言われる巨額債務を抱えるギリシャのために支援を続けてきた。その一貫として、2014年末にIMFと共に総額72億ユーロ(約1兆円)を送金する予定だった。

 ところが、2015年1月に誕生したアレクシス・チプラス政権が、それまでEU側の支援条件としていた緊縮財政の方針を突如転換した。このため、72億ユーロの支援金は今もギリシャ政府に振り込まれていない。その後、再三のEU側の要求にも同意せず、約5カ月にわたる交渉が暗礁に乗り上げていたのは周知の通りだ。

 そして、支援プログラムの期限切れが4日後と迫った6月27日。チプラス首相は土壇場でEU側との交渉を切り上げ、突如今回の国民投票を表明した。

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「現地レポート:国民投票「NO」に歓喜するアテネ」の著者

蛯谷敏

蛯谷敏(えびたに・さとし)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション編集を経て、2006年から日経ビジネス記者。2012年9月から2014年3月まで日経ビジネスDigital編集長。2014年4月よりロンドン支局長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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