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ギリシャ再建、絞られたシナリオ

2015年7月7日(火)

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交渉力を強めたギリシャのアレクシス・チプラス首相(写真=ロイター/アフロ)

欧州連合(EU)の財政緊縮案を受け入れるかどうかを問うギリシャの国民投票が「ノー」の民意を示したことで、欧州情勢は混とんとしている。筆者は2014年8月まで、国際通貨基金(IMF)で主に調査研究畑にいたが、最後の数年は金融危機の議論に若干かかわっていた。ギリシャ問題の現在の状況について本稿では急きょ、できるだけ中立的な立場でコメントしてみた。

債務削減は必要か

 過重債務を抱えた国家では、金利や税金が高くなり、まともな投資や労働がなされず、結局債務不履行に陥る。それでは貸し手も損なので、債務を削減し、借り手の収入を上向かせて債務不履行を避け、双方が得をする。それが、対応の定石だ。

 通常の救済の仕組みでは、まず債務削減を行う。それが確実に行われることを確認し、債務の持続可能性を担保した上で、IMFが当面の資金支援をする。その意味でIMFは「最後の貸し手」と言われ、その資金は他の公的債権よりも優先的に返却されなければならないとの決まりがある。

 この原則に従えば、ギリシャは、2010年の第1次ローンの時点で債務削減を実行するべきであった。しかし当時はリーマンショックによる世界的な金融危機が発生しており、ギリシャが債務削減を進めると他の南欧諸国にも飛び火し、債権者である独仏を中心とした銀行団がさらに弱体化する危険があった。こういった側面もあり、債務削減なしの資金融資があくまで特例でなされたのである。

 その後EU-IMF-ECB(欧州中央銀行)は、2012年初頭に民間保有債務の債務削減を求め、新たな新規融資もした。だがこの時の銀行団は、既に国債をECBなど公的機関に売り抜けてしまっており、公的機関が保有する債務の削減なしでは、債務持続可能性を高めることが十分にできなくなり、現在に至った。

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「ギリシャ再建、絞られたシナリオ」の著者

植田 健一

植田 健一(うえだ・けんいち)

東京大学経済学部准教授

米シカゴ大学経済学博士(Ph.D)。1991年東京大学経済学部を卒業。大蔵省(現財務省)国際金融局、国際通貨基金(IMF)シニアエコノミストを経て、2014年9月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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