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「したたか中国」と「声高トランプ」共存の危険

反保護主義が空しく響くG20

2017年7月10日(月)

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ハンブルクG20でメルケル議長の隣に席を並べた習近平主席とトランプ大統領だが、それぞれの狙いには埋めがたい違いが…(写真:ロイター/アフロ)

したたかな中国は「埋没」を決め込む

 今回のG20において中国は存在感を出せず、「埋没感」というのが日本の新聞の評価だ。果たしてそうだろうか。

 むしろ中国一流のしたたかな計算から敢えて「埋没」したのではないか。

 中国は本来、公正な貿易を阻害する国有企業に対する補助金や恣意的な輸入制限措置、高関税など保護主義のデパートだ。ところが米国のトランプ大統領が声高に保護主義的な発言を繰り返す事態に直面して、各国の批判の矛先は米国に向かわざるを得ない。その陰に隠れて中国は問題にされずにいる。

 その典型例が鉄鋼問題だ。

 問題の根源は中国による過剰生産だ。余剰の鉄鋼を大量に安値輸出している問題を是正しなければならないのは中国だ。今回のG20首脳宣言でも早急な具体的な解決策の策定を要求されて、中国に対しては強い圧力がかかっている。

 ところがこれに対してトランプ政権がちらつかせているのが通商拡大法232条による輸入制限の発動だ。自国の安全保障上の理由に基づくだけに発動は中国だけを対象とせず、日欧も巻き添えを食らう恐れがある。EUはこれに反発して、発動されれば即座に対抗措置を講ずるとしている。そうすると世界貿易は報復合戦の嵐だ。

 本来、日米欧が結束して中国への圧力を強化すべき問題なのに、米国の鉄鋼輸入に対する保護主義的な手段に批判が集まり、日米欧の足並みが乱れている。中国にとってこれほどありがたい事態はない。

 米国トランプ政権にもう少し中国のようなしたたかさがあれば、G20における1対19の構図での「1」の座は、米国から中国に入れ替わっていただろう。

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「「したたか中国」と「声高トランプ」共存の危険」の著者

細川 昌彦

細川 昌彦(ほそかわ・まさひこ)

中部大学特任教授(元・経済産業省米州課長)

1955年1月生まれ。77年東京大学法学部卒業、通商産業省入省。「東京国際映画祭」の企画立案、山形県警出向、貿易局安全保障貿易管理課長などを経て98年通商政策局米州課長。日米の通商交渉を最前線で担当した。2002年ハーバード・ビジネス・スクールAMP修了。2003年中部経済産業局長として「グレーター・ナゴヤ」構想を提唱。2004年日本貿易振興機構ニューヨーク・センター所長。2006年経済産業省退職。現在は中部大学で教鞭をとる傍ら、自治体や企業のアドバイザーを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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