• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

夢の新薬が使えなくなる日

厚生労働省が高額医薬品の使用規制に乗り出したワケ

2016年7月22日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 神薬か、亡国薬か。小野薬品工業の「オプジーボ」を筆頭に高額医薬品に対する風当たりが厳しくなってきた。末期の肺がんにも効くが、費用は年3500万円もする。重篤な副作用の症例も報告されたことから、厚労省も重い腰を上げた。

 これまでになかったメカニズムで抗がん作用を示す「オプジーボ」(小野薬品工業)。日本発のこの薬は2014年9月に皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)で国の承認を受け、昨年末には肺がんの一部でも適用が広がった。

 手術のできない末期がん患者にも劇的な効果があることなどから、オプジーボは発売されてしばらくは「夢の新薬」とも評された。だが、後に問題視されるようになったのはその価格。体重60キロの肺がん患者が1年間(26回)、オプジーボを使うと、年3500万円もかかる。

 仮に患者5万人がオプジーボを1年使用したとすると、薬代だけで年1兆7500億円に及ぶ。日本の年間医療費約40兆円のうち約10兆円とされる薬剤費が2割近く跳ね上がる計算だ。今年4月以降は、これほど高額の薬代がかかれば、「たった1剤で国が滅ぶことになりかねない」とメディアでセンセーショナルに取り上げられる機会が増え、同剤に対する風当たりが強まっていた。

神の薬か、亡国の薬か

 そんなオプジーボについて、さらに懸念すべき問題が起きた。7月に入って、別の種類のがん治療薬との併用などによって重篤な副作用症状が現れた結果、死亡例も出ていたことが明らかになったのだ。

 小野薬品工業によると、オプジーボの投与後に別の治療薬「タグリッソ」(英アストラゼネカ)を使用した患者のうち、7人が間質性肺炎を発症し、そのうち3人が死亡。また、オプジーボの投与から数週間後に、自由診療の「がん免疫療法」を受けた患者のうち6例に重い副作用が発生し、1人が死亡したという。

 オプジーボの効能・効果はあくまで単独投与で行われた臨床試験の成績に基づいて承認されている。今回明らかになった重篤な副作用症例は、有効性や安全性が確認されていない使用実態の下で起きたものだった。

図●小野薬品工業が自主的に定めているオプジーボによる治療を受けられる医療機関・医師の要件(非小細胞肺がんの場合)
1)厚生労働省が認可する「がん診療連携拠点病院」に加えて、各都道府県の知事が指定 する「がん診療連携指定病院」を含む

コメント18

「ニュースを斬る」のバックナンバー

一覧

「夢の新薬が使えなくなる日」の著者

庄子 育子

庄子 育子(しょうじ・やすこ)

日経ビジネス編集委員/医療局編集委員

日経メディカル、日経DI、日経ヘルスケア編集を経て、2015年4月から現職。診療報酬改定をはじめとする医療行政や全国各地の医療機関の経営を中心に取材・執筆。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

全体の2~3割の人でも理解し、動き出してくれれば、会社は急速に変わります。

中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長