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東芝は「社長のクビ」より「監査法人」を守った

郷原信郎弁護士が指摘する、第三者委員会報告書の問題点

2015年7月23日(木)

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東芝の不正会計問題に関連して、日経ビジネスオンラインでは企業のコンプライアンス(法令遵守)についてアンケートを実施しています。通常の方法では達成不可能な業務目標(チャレンジ)が強制されてきた東芝と同様な経験をお持ちではないでしょうか。率直なご意見をお聞かせください。

回答はこちらから(アンケート回答サイトが開きます)

 東芝の会計問題を調べていた第三者委員会(委員長=上田広一・元東京高検検事長)が7月21日、調査報告書を公開した。歴代の経営トップを含む組織的な不正を認定。田中久雄・前社長や佐々木則夫・前副会長など、複数の取締役が辞任する事態となった。

 だが、企業のコンプライアンス(法令順守)に詳しい郷原信郎弁護士は、報告書には大きな問題があると指摘する。

(聞き手は小笠原 啓)

郷原信郎弁護士(写真=新関 雅士、以下同)

東芝の第三者委員会が調査報告書を公表しました。一読した印象は。

郷原:今回の東芝問題の本質は、会計処理が適正だったかどうかです。会計監査人、つまり新日本有限責任監査法人がどんなチェック機能を果たし、東芝の経営陣がどう対応したのかが最大の焦点であるべきです。ところが報告書では、一番大事なところを「スルー」しています。

 東芝については、経営トップの確執や社内風土など、ガバナンス(企業統治)の問題が騒がれています。しかし、焦点はそこではありません。経営トップが過大な利益目標を「必達」だと押しつけて、現場が何かをしたとしても、最終的に監査法人がきちんとチェックできていれば、会計問題は起きないはずです。

 この点をしっかり詰められなかったことが、報告書の最大の問題です。監査法人との関係性が明確にならない限り、東芝経営陣に「不正の意図」があったかどうかが認定できないからです。

「だます」か「見逃してもらう」か

なぜ、不正の意図が認定できないのでしょうか。

郷原:東芝の経営陣が決算で不正を働く方法は、二つしかありません。意図を持って監査法人を「だます」か、監査法人に「見逃してもらう」かのいずれかです。

 ところが、この点が報告書では触れられていないのです。すると、東芝の経営陣にとって「監査法人が違法性を指摘しなかったので、問題ないという認識でした」という逃げ道ができるようになります。

田中久雄・前社長は7月21日の辞任会見で「不正を直接指示したとの認識はない」と述べました。

郷原:第三者委員会が、東芝と監査法人との関係をきちんと詰めていないから、こういう言い逃れができるのです。

 本来であれば、第三者委員会が東芝経営陣に「踏み絵」を踏ませるべきでした。「あなたは監査法人を『だました』のですか、それとも『見逃してくれる』と思っていたのですか」、と。このプロセスが無いと、経営陣が取った行為が故意なのかどうか、不正の認識を持っていたかどうかが分かりません。現時点では「未必の故意」ぐらいしか認定できないでしょう。

コメント25件コメント/レビュー

ライブドア事件や、エンロン事件と本質的には同じ犯罪なのに、
東芝に差別待遇を与えては、日本は中国の事を何も言えなくなる。

本件は法治国家としての日本の鼎の軽重が問われる事件である。(2015/07/27 17:10)

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「東芝は「社長のクビ」より「監査法人」を守った」の著者

小笠原 啓

小笠原 啓(おがさわら・さとし)

日経ビジネス記者

早稲田大学政治経済学部卒業後、1998年に日経BP社入社。「日経ネットナビ」「日経ビジネス」「日経コンピュータ」の各編集部を経て、2014年9月から現職。製造業を軸に取材活動中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ライブドア事件や、エンロン事件と本質的には同じ犯罪なのに、
東芝に差別待遇を与えては、日本は中国の事を何も言えなくなる。

本件は法治国家としての日本の鼎の軽重が問われる事件である。(2015/07/27 17:10)

必達目標を達成しろと叱咤激励するのが社長の役割。
社員に不正をさせる管理者が無能。
そういう人材を管理職に選んだ社長、企業の体質が悪い。
トップだけでなく、中堅管理職も辞任しなければ、この会社はの将来はない。(2015/07/27 07:38)

東芝が契約していた監査法人の仕事ぶりや、東芝内の監査役の動きがほとんど報じられることがありませんでした。
この辺のこともきちんと白日の下に出されないと釈然としません。(2015/07/25 10:35)

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