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東芝の第三者委報告書は「落第点」

久保利英明弁護士が納得できない「4つの問題」

2015年7月24日(金)

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 「落第点」。コーポレートガバナンス(企業統治)に精通する久保利英明弁護士は、東芝の第三者委員会(委員長=上田広一・元東京高検検事長)が公表した調査報告書をこう評価する。

 久保利弁護士は、牛丼チェーンの「すき家」などを展開するゼンショーホールディングスの労働環境問題に関する第三者委員会を率いた。「第三者委員会報告書格付け委員会」の委員長も務める、この分野の第一人者である。

 格付け委員会の委員長ではなく「個人的な立場」と前置きした上で、報告書の「採点結果」を話し始めた。

(聞き手は小笠原 啓)

まずは結論から。第三者委員会の報告書を100点満点で採点すると、何点でしょうか。

久保利英明弁護士(写真=新関 雅士、以下同)

久保利:基本的なことが書かれていないから採点できない。せいぜい30点。落第点だな。

 時間が足りなくて、合格点に達するような「答案」が書けなかった事情は分かる。そもそも、2カ月という期間で、東芝規模の会社を調べろと言われても無理でしょう。でも、第三者委員会はその条件を受けた。

第三者委員会が発足した直後、「“生ぬるい調査”は東芝を傷つける」と指摘していました。その懸念が的中したわけですか。

久保利:「ほら見てご覧」といった感じかな。東芝との利害関係を疑われかねない人を委員会のメンバーに選定し、短い期間で調べるとなると、結局“生ぬるい調査”にしかならない。こういう結論が出ることは予測できていた。

歴代3社長を“人身御供”に

 調査報告書の全文は300ページ近くあるけど、東芝でなぜこんな問題が起きたのか、本当のところが分からない。さらに、再発防止策や提言は最後の数ページに載っているだけで、東芝が具体的に何をすれば良いかも不透明だ。企業風土の問題を指摘しているが、結局どう変えるべきなのか書かれていない。

 にもかかわらず、この報告書をきっかけに歴代3人の社長が辞任することになった。言葉は悪いけど、3人を“人身御供”にして幕引きを狙っているようにも見える。

 これで手打ちになっては、日本の企業社会に変なメッセージを残してしまう。日本を代表する会社である東芝から何かを学べる機会なのに、この報告書からは教訓を得られない。

コメント7件コメント/レビュー

粉飾会計の金額といい、社会と株価に与えた影響といい、今回の
東芝事件はライブドア事件とほぼ同規模なのだから、ライブドア
事件と同じように、東京地検特捜部による強制捜査を期待したい
所ですね。
むしろそれが無いと、ライブドア事件が「政治案件だった」とい
う事を問わず語りに暴露してしまい、特捜部の鼎の軽重が問われ
ることになります。(2015/07/27 17:07)

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「東芝の第三者委報告書は「落第点」」の著者

小笠原 啓

小笠原 啓(おがさわら・さとし)

日経ビジネス記者

早稲田大学政治経済学部卒業後、1998年に日経BP社入社。「日経ネットナビ」「日経ビジネス」「日経コンピュータ」の各編集部を経て、2014年9月から現職。製造業を軸に取材活動中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

粉飾会計の金額といい、社会と株価に与えた影響といい、今回の
東芝事件はライブドア事件とほぼ同規模なのだから、ライブドア
事件と同じように、東京地検特捜部による強制捜査を期待したい
所ですね。
むしろそれが無いと、ライブドア事件が「政治案件だった」とい
う事を問わず語りに暴露してしまい、特捜部の鼎の軽重が問われ
ることになります。(2015/07/27 17:07)

ある製造業に勤務した経験から言えば、経理部門にとって監査法人や監査役を騙すのは難しくはない。1期や2期ぐらいは。しかし、長年に亘るとなれば、監査法人の暗黙の承認がないと出来ない。監査法人は監査対象会社を、今でも「うちの会社」というのだろうか。10年前はそうだったが。(2015/07/25 08:34)

サザエさんは最早東芝一社の提供では無いので問題無いでしょう。優良コンテンツなのでスポンサーならいくらでも付きます。東芝の情けない所はトップの人間が遵法精神やコンプライアンスを守ろうと言う気概が無く、目先の利益さえ水増ししてしのげれば良い程度の人間ばかりだったと言うこと。結局は東芝にも社会の為にもならない悪い結果だけを生み出した。トップの暴走を諌めるガバナンスが無いと再生はしないだろう。(2015/07/24 12:56)

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野口 悠紀雄 早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問