• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

伊藤忠CFO、「不正会計」指摘に怒りの大反論

空売りファンド「法的措置などありえない」

2016年8月3日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 8月2日、東京証券取引所の兜クラブ。2016年度第1四半期の決算発表をした伊藤忠商事の鉢村剛CFO(最高財務責任者)は、米国の空売りファンド、グラウカス・リサーチ・グループが「不正会計」と指摘していた問題について、大反論を展開した。

 問題のレポートをグラウカスが公表したのは7月27日。英語版で42ページ、日本語版では44ページにも及ぶもので、冒頭では東芝の不正会計問題を引合いに出し、「弊社の見解では、伊藤忠商事は財務報告の訂正と不正会計の存在を認めることを命じられる次の日本企業となる可能性が高い」とセンセーショナルに指摘した。伊藤忠の株価は同日、前日比で一時10%も下落する事態となった。

米空売りファンドの指摘に反論する伊藤忠商事の鉢村剛CFO(最高財務責任者)

 これに対し伊藤忠は、「当社の会計処理に関する一部報道について」と題するA4で1枚の文書を、7月27日に2通、8月1日に1通開示。グラウカスに対して、法的措置も辞さない構えを見せていた。日本取引所グループの清田瞭グループCEO(最高経営責任者)は7月28日、「(伊藤忠株を売り出した後にリポートを出したのなら)倫理的に若干、疑問がある」(日本経済新聞より)とコメントしていた。

 グラウカスは2011年に空売りファンドとして設立。これまでに22件の投資で特定の企業をやり玉に挙げ、粉飾決算や不適切な資金の流用などを指摘するレポートを発表してきた。そのうち5件では、経営者が証券詐欺罪で起訴されて1社は上場廃止になり、それ以外の企業についても株価は適正な水準に調整されたとしている。伊藤忠は、同社の日本市場参入の最初の“標的”となった。

米ファンド「伊藤忠の対応はアベノミクスの政策に反する」

 グラウカスのレポートに対する伊藤忠の反応や、日本証券取引所グループの清田CEOのコメントについて、グラウカスでリサーチ・ディレクターを務めるソーレン・アンダール氏は8月2日早朝、日経ビジネスとの電話インタビューで次のように話した。

米空売りファンド、グラウカスのダイレクター、ソーレン・アンダール氏

「コーポレート・ガバナンスや透明性にコミットしているアベノミクスは、日本企業にこれまでより高い基準で会計、透明性、ガバナンスに取り組むことを求めている。しかし、そうした政策が有効に機能するには、市場は空売りファンドも含めた幅広い投資家を必要としている」

「これまで、米国や中国、香港などで投資活動をしてきたが、(伊藤忠が匂わせているような)法的手段に出られたことなどない。法的手段に訴える前に、まずは投資家に対して説明責任を果たすべきだろう」

「伊藤忠はこれまでのところ、我々が指摘した3つのポイントについて、意味のある詳細な説明をしていない。それは、アベノミクスが進めるコーポレート・ガバナンスの政策に反している。伊藤忠は著名な上場企業であるにもかかわらず、このような対応は説明責任と透明性の著しい欠如を示している。(伊藤忠は第1四半期の業績を公表するが、)我々がレポートで指摘したポイントについて、意味のある反応をするべきだ」

 グラウカスのアンダール氏は、安倍晋三政権が進めてきたコーポレート・ガバナンス強化の流れを巧みに引き合いに出しながら、自らのレポートの正当性を強調した。

 一方、伊藤忠の決算会見では、鉢村CFOが第1四半期の業績説明に続いて同レポートへの反論を展開。時折、怒りを露わにしながら、グラウカスの主張を真っ向から否定した。

コメント10件コメント/レビュー

空売りを先行させて儲けを得ること自体資本主義下では認められている事なので文句の言い様もない。然し、空売りを仕掛けると同時に該当企業のある事ない事を言いふらして株価を恣意的に下げる事で儲けを大きくしようという企みは許すべきではない。「物を言う株主」も時として、目先での利益を上げるだけが目的で、長期的には会社の不利益になる事でも大きな声で要求する。若しも「無い事」まで持ち出して株価を下げようとしているなら、それによって不利益を被る企業や個人は法廷に損害の賠償で訴えるべきだと思う。日本企業の多くは正直言って法廷闘争に弱い。その結果不要なカネを払わされる羽目に陥る事が少なくなかった。資本主義でいく以上、法廷闘争には強くならなければ、常に損する役割に回される。(2016/08/17 16:25)

「ニュースを斬る」のバックナンバー

一覧

「伊藤忠CFO、「不正会計」指摘に怒りの大反論」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

空売りを先行させて儲けを得ること自体資本主義下では認められている事なので文句の言い様もない。然し、空売りを仕掛けると同時に該当企業のある事ない事を言いふらして株価を恣意的に下げる事で儲けを大きくしようという企みは許すべきではない。「物を言う株主」も時として、目先での利益を上げるだけが目的で、長期的には会社の不利益になる事でも大きな声で要求する。若しも「無い事」まで持ち出して株価を下げようとしているなら、それによって不利益を被る企業や個人は法廷に損害の賠償で訴えるべきだと思う。日本企業の多くは正直言って法廷闘争に弱い。その結果不要なカネを払わされる羽目に陥る事が少なくなかった。資本主義でいく以上、法廷闘争には強くならなければ、常に損する役割に回される。(2016/08/17 16:25)

日本で無名のグラウカスとは同じ土俵に乗らない(相手の知名度を上げる行為はしない)という方針を取るのは経営陣の判断であると思うが、日本株の取引で外国人投資家が存在感を発揮している以上、説明が不十分とみなされれば結果として株価下落につながりかねず、日本人投資家にとって不利に働くのではないか。

また、コロンビアの石炭事業の資産評価について、ディスカウントキャッシュフロー(DCF)で評価するのが一般的と主張しているが、DCFで評価した場合の評価額を示していないため、減損を行わない事が合理的であるか、説得力に欠けるのではないか。当該評価額の開示は、項新を持分法適用会社から一般投資に区分変更した時には評価を洗い替えしたのにも係わらず、当該石炭事業では洗い替えしなかったという指摘への回答にもなる。東芝やオリンパス等の企業で過去に不正とされた案件でも監査法人は適正意見を述べていたことから、監査法人の適正意見だけでは、このように注目を浴びた時の反論としては不十分ではないか。(2016/08/17 10:07)

寄せられているコメントを見ると空売りファンドはけしからんとの見方が大勢のように見える。
しかしながら、国際的な投資の世界では空売りの存在は日常茶飯事であることをご存じない方々ではないだろうか。買いが正しくて売りは罪悪とするのは日本の金融界が植えつけた誤った投資の世界であろう。
ところで、伊藤忠商事に係るグラウカスのレポートを見ての印象を率直に申し上げたい。
伊藤忠商事の経営陣は、もし本当に投資家の利益を考えて決算を行っているならグラウカスの指摘している会計ルールの一貫性のなさの問題に真摯に答えるべきではないだろうか。グラウカスのディスクレイマーを理由に投資家の疑問に答えない姿勢は空売りを誘うに十分な理由となるであろう。
また、一発で数百億と言う利益の出し方にも危惧を感じる。他社の小口利益の積み増しでの
決算発表がバカに見えるのだろうか。(2016/08/10 15:07)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

テスラのような会社と一緒にできないのなら、パナソニックはイノベーションを起こせないだろう。

津賀 一宏 パナソニック社長