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ビール大手4社、好調決算に透ける大きな不安

居酒屋不況で「業務用」が「家庭用」を下回る

2016年8月8日(月)

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 2016年1~6月期の決算が出そろい、好調を保ったビール大手4社。だがその背後では「居酒屋不況」が暗い影を落としつつある。

 ビール大手4社の2016年1~6月期の連結決算が8月5日に出そろった。営業利益はサントリーホールディングスが前年同期比14%増の872億円、アサヒグループホールディングスが11%増の524億円となり、1~6月期としてともに過去最高を更新した。キリンホールディングスは1%増の588億円、サッポロホールディングスは営業損益が30億円の黒字(前年同期は12億円の赤字)に転換した。

 キリンではリニューアルした「生茶」がヒット。ダイドードリンコと自動販売機の商品の相互供給を始めた成果などで「午後の紅茶」も伸びた。サントリーは「伊右衛門 特茶」や新商品の「ブラッドオランジーナ」、アサヒは炭酸とコーヒー飲料が伸びるなど、各社とも国内で清涼飲料の販売が好調だった。

 だが主力のビール類(ビール、発泡酒、第三のビール)に目を転じると、各社とも不安要素を抱えている。その大きな要因は外食業界、特に居酒屋の低迷による業務用の不振だ。

際立つ業務用の不振

 日本フードサービス協会によると、パブ・居酒屋の売上高はここ1年、前年割れが続き、6月も前年同月比9%減だった。店舗数が7%減った影響もあり、客数は7%減少している。また、客単価も3%下がった。節約志向で消費者の足が居酒屋から遠のいているうえ、来店時の注文も抑え気味になっている様子がうかがえる。店でオーダーされるアルコールも酎ハイなどに流れがちで、価格帯が高めのビールを筆頭に、ビール類全体の消費の伸び悩みにつながっているわけだ。

 大手各社の販売数量の用途別シェアは、ビール類で業務用が約2割、家庭用が約8割。これがビールに限ると業務用が5~6割、家庭用が4~5割と、業務用の比率が一気に上がる。発泡酒や第三のビールはほぼ家庭用で、居酒屋など飲食店での消費の落ち込みが、ビールの販売減に直結するという構図だ。ビール酒造組合の用途別のビール販売動向を見ると、今年1~6月の業務用のシェアは49.3%。前年同期から1.2ポイント落ちて、家庭用(1.2ポイント上昇の50.7%)を下回った。

 ビール類の販売数量をカテゴリー別に見ると、キリンは1~6月、発泡酒が前年同期比8%減、第三のビールが11%減となるなど、全ての分野で数量を落とした。ビールは主力商品の「一番搾り」で、都道府県ごとに原料や味わいを変えた商品を投入し好調だったが、それでも全体では1%減った。

 アサヒはリニューアルした「クリアアサヒ」シリーズが好調で第三のビールは10%伸びたが、ビールは2%減った。ビールでアサヒは約5割、キリンは24%のシェアを持つ。飲食店でのビール需要の落ち込みが、シェアが高い2社にまず悪影響を及ぼしている。

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「ビール大手4社、好調決算に透ける大きな不安」の著者

須永 太一朗

須永 太一朗(すなが・たいちろう)

日本経済新聞証券部

2003年一橋大学社会学部卒業、日本経済新聞社に入社。西部支社(福岡)で警察、企業、県政を順に担当。その後は主に証券部で日本株相場を取材。14年3月、日経ビジネス記者に。17年4月、日本経済新聞証券部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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川野 幸夫 ヤオコー 会長