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三菱自、幻に終わった「品質の関所」

検証・三菱自動車 不正調査報告書(1)

2016年8月8日(月)

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 2016年4月20日に発覚した三菱自動車の燃費不正問題。8月1日、社外の識者4人(弁護士3人とトヨタ自動車OB)によって構成される特別調査委員会は、264ページに上る「燃費不正問題に関する調査報告書」を三菱自動車に提出した。社内で使用されていたパソコンの記録やメールのやり取りを読み解いた上、同社の開発部門や開発子会社などの関係者154人を合計236回、ヒアリングしてまとめられたものだ。

 これにより、今回の騒動はある意味では決着が付いたことになる。だが、報告書を読み進めてみると、表層的な再発防止策では到底、変えることのできない組織の深い闇が見えてくる。「三菱自動車の深い闇」ではなく「組織の深い闇」としたのは、同様のことがどの企業でも起こり得ると考えられるからだ。

 これから数回にわたり、報告書に記載されている具体的な不正の経緯と、不正を生み出す組織の特徴を検証していく。初回は、一連の燃費不正の中でも、特に悪質とされる軽自動車4車種の燃費関連データ改ざんが起きるまでの過程を見ていく。

左から委員の坂田吉郎弁護士、委員長の渡辺恵一弁護士(前東京高等検察庁検事長)、委員の八重樫武久・元トヨタ自動車理事、同じく吉野弦太弁護士

開発フローに組み込まれていた「品質の関所」

 記者が報告書の中で最も着目すべきだと感じたのは、開発本部の中に品質を保証するための仕組み(社内ルール)があったにも関わらず、それが守られていなかった点にある。

 問題の軽4車種は、三菱ブランドの「eKワゴン」「eKスペース」、供給先の日産自動車ブランドで販売していた「デイズ」と「デイズルークス」。開発母体は両社の共同出資会社であるNMKV(東京港区)だが、実際の開発業務の大半は三菱自動車名古屋製作所(愛知県岡崎市)にある開発本部が請け負っていた。そのうち、燃費関連データを得るための走行試験を含む一部業務は、開発子会社の三菱自動車エンジニアリング(MAE)が遂行していた。

 三菱自動車社内に設けられていた仕組みとは、次のようなものだ。

コメント3件コメント/レビュー

三菱自動車がそういう会社だということを再認識した(やっぱり思ったとおりだったということ)。具体的な明言は避けるが少なくとも30年以上前から隠蔽体質を裏付ける証言は両手では数えられない。ディーラーもさぞ苦労していたのではないかとも思うのだが、いろいろな顧客を長年相手にしてきているので対応は手馴れたものだった。トップの経営方針が一番問題なのだと思うが、技術の三菱は顧客を蔑にしてきたつけなのではないかと思われる。(2016/08/08 10:24)

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「三菱自、幻に終わった「品質の関所」」の著者

池松 由香

池松 由香(いけまつ・ゆか)

日経ビジネス記者

北米毎日新聞社(米国サンフランシスコ)で5年間、記者を務めた後、帰国。日経E-BIZ、日経ベンチャー(現・日経トップリーダー)、日経ものづくりの記者を経て、2014年10月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

三菱自動車がそういう会社だということを再認識した(やっぱり思ったとおりだったということ)。具体的な明言は避けるが少なくとも30年以上前から隠蔽体質を裏付ける証言は両手では数えられない。ディーラーもさぞ苦労していたのではないかとも思うのだが、いろいろな顧客を長年相手にしてきているので対応は手馴れたものだった。トップの経営方針が一番問題なのだと思うが、技術の三菱は顧客を蔑にしてきたつけなのではないかと思われる。(2016/08/08 10:24)

これは表向きマスコミで報道されている結果で収まるような話ではないですね。一連の出来事で本当に三菱自動車が復活に向けて進み出しているのならいいけれど、将来ゾンビ企業になってしまうより一旦清算してしまった方がいいのではないか?そんなことを思わせるくらい酷い話です。組織としてあまりにもお粗末なレベルですね。(2016/08/08 07:49)

このような異常な状況で働いていた開発者や品質エンジニアには真剣に同情する。
こんな状況でいいものが造れるはずがない(2016/08/08 07:05)

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