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首相の「お詫び」、韓国の人々に効果はあるのか?

調査で判明、「謝罪」は継続してこそ効果的

2015年8月11日(火)

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 8月15日、日本政府は安倍晋三総理大臣の談話(以下、安倍談話)を発表する方針と噂されている。国内はもちろん、周辺諸国が注目するこの談話には、どのような表現が盛り込まれるのだろうか。

 この際、どうしても比較の対象にされるのが、1995年の村山富市首相の談話(以下、村山談話)だろう。

「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。また、この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます」

 と、第二次大戦に関してのわが国の責任、そして、「反省」のみならず「心からのお詫び」という言葉を使っている。これはかなり深く頭を垂れた印象を与える表現だ。安倍首相は、「反省の意を盛り込む意向」と表明はしているが、先行した村山談話がある以上、より言葉を選ばないと、受け止める側には「後退」の印象を与えかねない気がする。

 果たして諸外国は、総理の談話をどのように受け止めるのだろうか。そして、効果的な「謝罪」「反省」の方法はあるのか。米国、そして韓国で、「政治と外交の対外情報発信に関する国際共同研究」研究プロジェクトチーム(多湖 淳・神戸大学大学院法学研究科教授、小浜祥子・北海道大学大学院公共政策学連携研究部准教授、稲増一憲・関西学院大学 社会学部 社会学科准教授。プロジェクトのウェブサイトはこちら)が、現地の市井の人々に調査を行った。小浜氏のリポートを再構成する形で、その結果をお届けする。

首相の「お詫び」に効果はあるのか?

首相談話の中の「お詫び」「反省」については、「何度謝っても、どうせ中国、韓国は納得する気がないのだから、もうやめておけばいいのに」といった声がよく聞かれます。

小浜:「謝罪」が難しいのは、謝罪する側と謝罪される側の認識のズレにありますね。実際、個人的な体験としては、「自分は本当に反省しているのに、とうとう分かってもらえなかった」こともあれば、「口先で謝っただけなのに許してもらえた」こともあるでしょう。どういう仕組みで「謝罪が受け入れてもらえる」かについては、社会科学の研究が進んでいます。ただ、首相談話、安倍談話が受け入れてもらえるかどうかはもうちょっと複雑な話になります。

小浜祥子(こはま・しょうこ)
北海道大学大学院公共政策学連携研究部准教授。ヴァージニア大学政治学部にて博士号(国際関係)取得、専門はアメリカ外交、国際紛争。

 日本の首相が、諸外国に向けて発信する言葉が、他国の一般市民からどう受け取られるのか。根本的な話をすれば、日本の首相が「反省」や「謝罪の意」を表明することは、果たして何か意味があることなのか。そもそも、確かにもう何度も過去に首相たちが、繰り返し繰り返し、反省や謝罪の弁を述べているわけですよね。

そして、その効果があったのかどうかは、誰も掴んでいませんね。

小浜:ええ。言い換えれば「日本はもう、十分に謝った、罪をそそいだ」という意見を持つ人を、相手の国の中で増やす、あるいは減らすことが、首相の談話でできるものなのだろうか。談話の内容を議論するのも大事ですが、その前に、その内容が国際的、特に「アジアの諸国民」に対して、効果をもつか否か、持つとしたらどういう方向で、ということについて、私たちは全然知見を持っていないと考えたわけです。

なるほど。

小浜:これをなんとか数値化したい。私たちは、日本学術振興会の「課題設定による先導的人文社会科学研究推進事業」の支援を受けまして、1995年の「村山談話」と、安倍首相の4月29日の米国連邦議会演説(以下、安倍演説)を用いて、米国と韓国で、戦争に関しての日本の首相のメッセージがどのような効果をもつのかを、インターネット調査会社の協力を得て検証しました(調査時期は2015年6月17日から25日)。

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「首相の「お詫び」、韓国の人々に効果はあるのか?」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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