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ついに白紙撤回。五輪エンブレムはなぜ炎上したか?

ガソリンを注ぎ続けたデザイナーの権利意識の甘さ

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  • オリンピックエンブレム取材班

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2015年9月2日(水)

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 あらゆる出来事、施策すべてが事態の悪化につながった。そんな印象だ。

 デザイナーの佐野研二郎氏が手がけたオリンピックエンブレム。これがベルギー・リエージュの劇場ロゴに似ていると同国のデザイナー、オリビエ・ドビ氏が訴えたことに端を発した事件は、佐野氏によるデザインの「取り下げ」という形で一旦幕を閉じた。

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会はオリンピックエンブレムの撤回を9月1日に決めた。写真は記者会見の様子

 今後は今回のデザインを白紙撤回し、もう一度エンブレムのデザインの公募を新たに行うという。

感情的な発言が仇に

 今回の問題を振り返ると、デザイナーと一般の人々との見識の違い、それに伴うコミュニケーションのミスが、両者の隔たりを次第に大きくしていった。

 ベルギーのロゴとの類似問題が発覚した直後に、オリンピック準備委員会が2015年8月5日に開催した会見で、デザイナーの佐野研二郎氏は両者のロゴについて「まったく似ていない」と発言。さらに「人のデザインを模倣したことは一切ない」と断言した。おそらく制作プロセスの違いから、両者の手がけたデザインには差があると佐野氏自身は思ったのだろう。しかし長方形と、正方形から円弧を切り取った形状を使ったTの文字と、その一部を右下に配置した点が共通するのは事実。そこで両者を「似ていない」と切り捨てても、一般的な人々への理解は得るには無理があった。

 誰もが使うアルファベットをベースにした単純なデザインは、実際に似ることはあるのは仕方がない。その点を説明した上で、法的には問題ない点のみを説明していれば、ここまでの炎上はなかっただろう。しかし、一部の人々は「まったく似ていない」、「模倣は一切したことがない」という佐野氏の感情的な発言のみに反応。インターネットを通じて佐野氏が手がけたこれまでのデザインの検証を始めた。

 そこで出てきたのが、サントリーのノンアルコールビール飲料「オールフリー」の景品のトートバックのデザインだ。佐野氏がデザインを手がけたとの触れ込みで発表されたデザイン(実際にデザインしたのはスタッフで、佐野氏はその監修をした)の一部に、明らかに他者のイラストや写真をそのまま使ったものがあった。

 ここで「模倣したことはない」という佐野氏の発言の信頼性が完全に崩れた。もはや佐野氏が何を言っても、そこに説得力は無くなったのだ。

 その後も、佐野氏が手がけた別の企業や団体のロゴも槍玉に挙げられる。その中の多くは相当無理のある比較で、法的にはほとんど問題のないものだったと考えられる。しかし問題ない程度のデザインではあったものの、一般の人から見ると似ているデザイン。すでに信頼が失われている中で、佐野氏が「模倣をする」という印象は拭いきれないものになっていった。

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