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米新車市場に仕込まれた“時限爆弾”

6年間続いた成長もそろそろピークアウトか

2016年9月6日(火)

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 過去6年にわたって拡大を続けた米国の新車販売台数。世界経済の中でひとり気を吐く米個人消費を象徴するような指標だが、ここに来てピークアウトが鮮明になっている。

8月の米新車販売に減速感

 米オートデータが9月1日に発表した8月の新車販売台数によれば、前年同月比4.1%減の151万2556台と3カ月ぶりに前年実績を下回った。トップのGMは同5.2%減、フォードは同8.8%減、トヨタは同5%減、それ以外の自動車メーカーも軒並み販売台数を落としている。2015年は過去最高の1747万台を記録したが、今のままのペースが続けば、昨年を下回る可能性が高い。

リース契約の車両が、契約期間終了後、中古市場に大量に流れ込むようになったことで、新車販売にも影響を与えるようになった。(写真:ロイター/アフロ)

 「世界経済は成長エンジンの不足や金融市場の動揺、貿易投資の低迷、需要の落ち込みなど重層的なリスクに直面している」。中国の習近平国家主席は、中国浙江省杭州で開幕した20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で世界経済の先行きに懸念を示した。

 欧州や日本がゼロ近傍の成長に沈み、新興国が減速傾向を強める中で、米国は十分とは言えないが他の経済圏に比べれば安定的な成長を維持している。その主要エンジンである個人消費が落ち込めば、グローバル経済の先行きにも影を落とす。

 今のところ、消費者の新車需要は引き続き底堅いとみられているが、新車販売に潜む構造的な懸念を考えると、今後、予想以上に落ち込むことも否定できない。構造的な懸念とは、新車販売におけるリース比率の増加だ。

新車販売におけるリース比率は32%に

 2016年の上半期、新車販売におけるリース比率は32%に達した。リース件数も2011年上半期の110万台から2016年上半期には220万台まで倍増している(ともに米自動車情報サイト、エドマンズ・ドットコムのデータ)。新車販売時のリース契約が増加しているのは、自動車ローンよりも少ない負担でよりハイスペックな自動車を取得することができるためだ。

 ニュージャージー州に住むリサ・ベスト氏はメルセデス・ベンツのCLS550を月々560ドル(約5万8000円)のリース料で手に入れた(リース契約は3年間)。新車価格はおよそ8万ドル(約830万円)だったが、リースの場合、リース期間満了時の予想売却価格を差し引いてリース料を算出するため、高級車であっても比較的少ないリース料で自動車を手に入れることができる。

 リース期間は2~3年が多く、契約期間終了後には愛車を手放す必要がある。また、年間の走行距離に上限があり、長距離を走るユーザーには向いていない。だが、「私の経済力ではメルセデスの新型モデルを買うことはできないが、リースならそれが可能。3年ごとに車を変えるというスタイルも悪くない」とベスト氏が語るように、リースの魅力に惹かれる消費者は増えつつある。

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「米新車市場に仕込まれた“時限爆弾”」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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