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資生堂とらえるコーセー、磨きかける同族の感性

4代目社長・小林一俊社長に聞く

2017年9月7日(木)

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 化粧品会社大手コーセーが2016年度の営業利益額で資生堂を抜いた。売上高は資生堂の3分の1にすぎないが、2016年度の営業利益は391億6000万円。資生堂の367億8000万円を上回った。年間の国内出荷額も2位のカネボウ化粧品と拮抗する額に伸びたもようで、国内シェアは資生堂に次ぐ規模に成長してきた。

 コーセーは1946年創業、小林一俊社長は同族経営の4代目社長だ。2007年に社長就任後、聖域なき「ムダ」の排除と、受け継いできた「感性」にさらに磨きをかける経営に注力してきた。

 創業期からの取引先である化粧品専門店粧苑すきやの由佐幸継代表はコーセーの現在の勢いを、「第2の創業期に入っている」と評する。就任10年で小林社長が採った経営手法とは。

コーセーの小林一俊社長(撮影:的野弘路)

2016年度の営業利益額で資生堂を抜きました。

 祖父や父の時代は、資生堂といえば、もう雲の上の存在でした。生きていたら、それは相当喜んだと思います。ただ、利益は一瞬です。資生堂さんがたまたま利益を落としたこともあります。私としては、それよりも少し違う目的が芽生え始めてきています。時価総額や国内での売り上げ順位やシェアというところが、まだまだ伸びしろがあるんじゃないかと思っていますし、そこに対しては貪欲に攻めていきたいと思っています。

就任以来、利益率向上のために思い切った構造改革に着手しました。その中でも、ドラッグストアなどからの返品に関して、踏み込んだ施策を行いました。

 2000年代にドラッグストアが急速に化粧品の流通市場として勢いが増していくのと比例して、我々も自動的に売り上げが上がっていました。ただ、それは単なるドラッグストアの出店に対して、自動的に商品の注文が来て、どちらかというと流通によって作られた売り上げだったんですね。それが2006年に大きな過渡期を迎えて、大量の返品となっていったのです。実は消費者の手に渡っていたんじゃなくて、店頭にどんどん商品が積まれていただけだったと。

 さらにいえば、化粧品業界では商習慣として、いわゆる「押し込み」というのが長らくあったんですね。例えばですが、決算前に少し買っていただいて来月になったら返品していただいても結構ですから、といったようなことです。専門店さんも「そこまで言われたら、私たちが売ってみせますよ」と。持ちつ持たれつでやっていた部分も正直あった。

 一方、我々にとって、ドラッグストアや専門店が「お客様」という意識が強く、では、その先のお客様、つまり購入してくださる方を我々は見ていたのか、と。返品というのは、その「結果」ではないか、ということを考えたわけです。

 当社は資生堂、花王に比べたら、規模に違いがありますので、苦しさが最初に出たというのもあると思います。

ドラッグストアが急成長する中、上を見れば資生堂・カネボウ化粧品、下を見れば海外勢の低価格ブランドなどが成長をする中で、完全に挟み撃ちにあっていたような印象を受けます。

 そうですね、間に挟まれました。当社は制度品メーカーとして、専門店を非常に大事にしていた歴史があります。付加価値の高いカウンセリング商品の売り上げ構成比が高いので、やはり専門店に対する配慮がありました。あまりドラッグに当社の商品をどんどん出すのではなくて、専門店さんを守ろうと。長年共存共栄でやっていこうという気持ちがありました。そういう遠慮のようなものがあり、政策的にも静観した結果、出遅れたのです。

 一方で、売り上げの構成比やこれからの将来性を見ても、ドラッグストアは我々にとって、なくてはならないチャンネルです。注力しなくてはいけないのは自明でした。

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「資生堂とらえるコーセー、磨きかける同族の感性」の著者

染原 睦美

染原 睦美(そめはら・むつみ)

日経ビジネス記者

日経パソコン、日経ウーマンオンラインを経て、2013年4月から日経ビジネス記者。IT担当などを経て、日用品・化粧品担当。趣味は洗濯、昼酒、ピクニック。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長