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任天堂が失いつつあり、シャープが忘れたもの

社内カンパニー制でシャープの良さは引き出せるのか

2015年9月11日(金)

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ニトリホールディングスへの売却が交渉されていると報じられた大阪阿倍野区のシャープ本社ビル(写真:山田 哲也)

 9月3日、シャープは新たな経営改革案を発表した。柱は、事業ごとに5つの社内カンパニーを設けるというもの。それによって各事業の意思決定のスピードを速めるのが狙いという。

 筆者は、この件についてある新聞のインタビューに答え、「再建に向けた長期戦略が乏しい中、組織の構造だけを変えても意味はない。社内カンパニー制では、会社のトップに高い戦略性と各部門間の密な調整が求められ、高橋(興三)社長のさらなるリーダーシップが問われる」という趣旨のコメントを寄せた。

 カンパニー制のメリットは、肥大化した組織を事業ごとにバーチャルな独立会社として分けることで、大企業における規模の経済性のメリットと、中小企業と同様の機動力との2つの「いいとこ取り」をするところにある。

 しかし当然ながら、「いいとこ取り」をするには、単に組織を形作るだけではなく、実際に両方のメリットが発揮されるように仕向けなければならない。そうしなければ、形だけを作っても「悪いとこ取り」になる可能性がある。

 新聞に寄せたコメントの趣旨は、その「悪いとこ取り」にならないための仕掛けが見えないということだ。加えてもう1つ、カンパニー制のデメリットとして考慮すべきポイントがある。

 それは、カンパニー制の導入とは「効率化」のための戦略であって、「効果的」な事業戦略を実現するための方策ではないことだ。

「効果的な経営」と「効率的な経営」の違い

 現在、日経BP社の「日経Biz COLLEGE」というサイトの若手ビジネスパーソンのためのMBA講座と題するコラムで、筆者は「効果と効率の経営戦略」をテーマとした記事を連載している。そこでメーンに取り上げているのは、「効果的な経営」と「効率的な経営」の違いである。

 詳しくはそちらの拙稿をご一読いただきたいのだが、今回のシャープの社内カンパニー制導入は、「無駄をなくして収益性を向上させる」効率化のための組織改革である。果たして、シャープの再建は効率化だけで十分といえるのであろうか。

 前回に執筆した記事(繰り返されるシャープの過ち)でも記したように、シャープは、戦前の早川電機時代から世界初、日本初の商品を数多く世の中に送り出してきた企業である。そこでは、様々な遊びや組織的な柔軟性が許容されていた。

 日経Biz COLLEGEの連載第2回目(日本の電機メーカーはなぜ苦境に陥ったか~成功体験に縛り付けるコア・コンピタンスの罠)で詳説しているが、経営学には「探索」と「深化」という言葉がある。

 探索は、企業が能力を使う時に様々な可能性を探り当てるプロセスのこと。深化は、ある一つのことをより深く追求するプロセスを指す。探索と深化のそれぞれの結果として得られるものが、効果と効率といえる。

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「任天堂が失いつつあり、シャープが忘れたもの」の著者

長内 厚

長内 厚(おさない・あつし)

早稲田大学ビジネススクール准教授

1997年京都大学経済学部卒業、ソニー入社。2007年京都大学大学院経済学研究科で博士号(経済学)取得。同年ソニーを退職し神戸大学経済経営研究所准教授に就任。2011年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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