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中国でEV市場が拡大した裏に大物政治家の失脚

2030年の新エネルギー車市場は1500万台へ

2017年9月28日(木)

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 中国の新エネルギー車(新エネ車)市場が急拡大している。中国自動車工業協会によると、中国の電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)の販売台数は、2016年に50.7万台に達した。その内訳はEVが8割、PHVが2割となっている。

 国際エネルギー機関(IEA)の調査によると、新エネ車の累計販売台数は中国だけで世界全体の32%を占める。中国の自動車市場は2009年に米国を抜き世界最大となったが、新エネ車でも世界一に躍進した。

 

 新エネ車急成長の背景にあるのが、生産・販売促進を目的とした政府による支援政策である。新エネ車の普及は、自動車の急増による大気汚染の深刻化や石油の海外依存度の高まりといった問題の緩和に資する。また、既存の乗用車市場における国内メーカーのブランド力は外資系メーカーに大きく劣るが、技術構造が大きく異なる新エネ車市場を新たに発展させることで、自国メーカーの台頭が期待できる。

 

 実際の支援策では、中央政府の補助金に加え、各地方政府も独自の購入支援制度を設けてきた。北京や上海などの大都市では、渋滞や環境対策の名目でナンバープレート発給に数量規制が設けられているが、新エネ車には特別枠が設定されたことも普及を強く後押しした。このような、中央と地方両政府からの強力な支援政策によりマーケットが一気に拡大したのである。

2014年が「新エネ車元年」

 中国政府が新エネ車の購入補助金を支給し始めたのは2010年であった。財政部、科学技術部などが共同で『個人による新エネルギー車購入に対する補助金試行開始に関する通知』を発表し、上海市や杭州市などの5都市を対象に購入補助金の支給を始めた。2012年に発表した『省エネルギー・新エネルギー自動車産業発展計画』では、新エネ車を2020年までに500万台普及させる目標を掲げ、本格的な普及支援が始まった。

 

 しかしその後、新エネ車の普及はなかなか進まなかった。その一因として、「中国政府が次世代新エネルギー車の本命とするEVの販売停滞は、各地の地方政府の支援が広がらないことが原因(2012年08月31日付日本経済新聞朝刊)」との見方があった。事実、中央政府の補助金だけではガソリン車と比較してもかなり割高であったし、普及のカギを握る充電スタンドの設置も地方政府の後押しが不可欠だった。

 

 転換点を迎えたのが2014年だ。「2014年には合計21の省や都市で、購入補助金政策が少なくとも70件打ち出された(2015年9月8日付日経産業新聞)」。これを機に中国国内における新エネ車の生産・販売が急増した(図1)。2014年、15年の2年連続で、EVとPHVを合わせた年間生産・販売台数は前年比3倍を超える急成長を遂げた。

中国における新エネルギー車の年間生産・販売台数(出典:中国自動車工業協会)

コメント2件コメント/レビュー

四輪車に限った目線の記事なので、2014年以降の政争と絡めて結論付けられたようだが、内燃エンジン車からEVへの転換は、二輪・三輪(中国は農村部で三輪トラクターが盛んに用いられている)の分野では、既に2000年初の段階から転換が進められ、都市部では内燃エンジンのスクーターバイクは禁止、EVバイクの台数は中国全土で1億台を超え、年間1千万台増加している。(この為、街の角々にはキオスク並みの数のワンコイン充電自販機が設置されており、1人民元分から課金式で充電できる。)また、これに伴って、内陸部砂漠地帯では一路一帯計画の幹線鉄道に沿って、大規模な太陽光発電所が続々と建設されていることが、グーグルマップでも簡単に確認できる。この事から、ペトロチャイナ疑獄が直接EV市場の拡大に繋がったとの論調には賛同できない。大きなEV化推進の契機は、前胡錦涛政権時に温家宝総理が主導したスマート&エコシティ計画にあり、その背景には京都議定書をはじめとするCO2削減の国際的な圧力があった事は間違いないだろう。(2017/09/28 12:14)

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「中国でEV市場が拡大した裏に大物政治家の失脚」の著者

西村 友作

西村 友作(にしむら・ゆうさく)

対外経済貿易大学 副教授

1974年熊本県生まれ。2010年に中国の経済金融系重点大学である対外経済貿易大学で経済学博士号取得後、日本人としては初めて同大専任講師として正規採用される。2013年1月より現職。日本銀行北京事務所客員研究員。専門は中国経済・金融。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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四輪車に限った目線の記事なので、2014年以降の政争と絡めて結論付けられたようだが、内燃エンジン車からEVへの転換は、二輪・三輪(中国は農村部で三輪トラクターが盛んに用いられている)の分野では、既に2000年初の段階から転換が進められ、都市部では内燃エンジンのスクーターバイクは禁止、EVバイクの台数は中国全土で1億台を超え、年間1千万台増加している。(この為、街の角々にはキオスク並みの数のワンコイン充電自販機が設置されており、1人民元分から課金式で充電できる。)また、これに伴って、内陸部砂漠地帯では一路一帯計画の幹線鉄道に沿って、大規模な太陽光発電所が続々と建設されていることが、グーグルマップでも簡単に確認できる。この事から、ペトロチャイナ疑獄が直接EV市場の拡大に繋がったとの論調には賛同できない。大きなEV化推進の契機は、前胡錦涛政権時に温家宝総理が主導したスマート&エコシティ計画にあり、その背景には京都議定書をはじめとするCO2削減の国際的な圧力があった事は間違いないだろう。(2017/09/28 12:14)

中国は、原発を大増設中であり、それらが全て稼働しだすとEVへのシフトが加速される。原発の増設は今後も継続すると見られるが、この結果EV化が進行すれば燃油輸入は減り、かつ二次的には核兵器保有でも米露に肩を並べたいと言う願望を一気に達成するのではないか。習近平体制になってからの中国は、世界に覇を唱える方向にまっしぐらで、覇権争いが1世紀遅れの古い考え方である事など気にも留めない。こんな危険な国であるにも拘らず、「世界一の大市場」を武器に西欧諸国にあらゆる面で「協力」を強いている。英独はまるで尻尾を振る犬の様だが、西欧から遠く離れた地での出来事には国民も大して気にもしない。東アジアの国々は、逆に中国の存在感が大きくて力関係的に従わざるを得ない状況にある。こうして中国を俯瞰してみると、中国のEV化促進が環境のためと言うより、はたまた自動車産業での技術的な主導権を握るためでもなく、経済、軍事の世界においても米国を追い越し世界一の実力を手に入れる為の切っ掛けに過ぎないと分かる。(2017/09/28 07:33)

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