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第一中央汽船、幻に終わった新日鉄系との統合

2015年10月1日(木)

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民事再生法の適用下で再建を目指す第一中央汽船の薬師寺正和社長(9月29日、東証で、写真:時事)

 経営難に陥っていた東証一部上場の中堅海運、第一中央汽船(以下、第一中央)は9月29日、東京地裁に民事再生法の適用を申請・受理され、経営再建を進めることになった。

 負債総額は子会社を含め1764億円。身の丈を超えた船舶投資が重荷となった上、中国の景気減速に伴う海上運賃の長期低迷が響いた。しかし第一中央の経営陣らは水面下で同業他社とのM&A(合併・買収)を模索し続けていた。

 救済劇はなぜ幻と消えたのか。

 第一中央が密かにM&Aの交渉を進めていたのは東証一部上場のNSユナイテッド海運。両社は「ばら積船」と呼ばれる鉄鉱石や石炭の海上輸送でライバル関係にある。第一中央は商船三井グループで旧住友金属工業と取引関係が長く、一時は旧住金が15%の株式を保有する大株主だった。日本郵船グループのNSユナイテッド海運は2010年10月、旧新日本製鉄傘下の日鉄海運と新和海運が合併してスタート。今も新日鉄住金が発行済み株式の34%を握る。

 新日鉄住金のスタート後、鉄鋼原料輸送を担ってきた第一中央とNSユナイテッドの経営統合は当事者間でも「自然な流れ」と受け止められていた。実現すれば2社合算の売上高は3000億円規模に倍増。300隻体制となり、ばら積船では業界3位の川崎汽船(約240隻)を超える規模になるはずだった。

運航規模を2割縮小、統合を模索

 事態が急展開したのは今年はじめからだ。2012年6月、商船三井副社長から第一中央に転じた薬師寺正和社長は3年近くかけて、当時230隻余あった船舶の売却やチャーター契約解除を進め、170隻程度にまで減らすことに成功。船舶を保有する「オーナー」に支払うチャーター料も一律2割を削減した。

 メーンバンクの三井住友銀行も相前後して運転資金の確保に万全を期す内諾を出している。2015年3月期まで4期連続で最終赤字を出した第一中央にとって起死回生のラストチャンスだった。

 第一中央が描いていた再建策の一つが、運行規模をいったん縮小し、そのうえでスポンサー企業を模索することだった。商船三井による再度の増資、大手商社への事業売却、ゴールドマン・サックスなど船舶投資に長けた外資系ファンドの傘下入り、日本政策投資銀行など官製金融の支援――。いくつもの案が検討される中で、実現性が高かったのがNSとの統合案だった。

 「新日鉄の導きさえあればNSとの統合は実現できる」。薬師寺社長は商船三井の武藤光一社長(当時、現会長)らと連絡を取りながらNSユナイテッドと水面下で接触を試みる。折しも、NSの小畠徹社長は旧新日鉄で原料調達部門を長く務めた経験を持つ。気さくな親分肌と面倒見の良さは業界内でも定評があるところだ。

 小畠社長は以前、記者に対し「一汽(いちき=第一中央汽船の略称)さんほど、海運マンとして気骨がある企業は他にない。我々も学ぶべきところは多い」と語っている。

 NSにとっても第一中央を救済するメリットは少なからずあった。

 船舶の輸送契約には荷主企業と3~5年先までの輸送量と運賃をあらかじめ固めた「長期契約」と、短期や航海1回ごとに契約する「スポット契約」がある。NSは長期契約が大半で収益が安定している分、今後、海上運賃市況が上昇した局面では利益の上積み余地が限られる。一方、「海運業界の野武士集団」の異名をとる第一中央は、スポット契約が多く市況に応じて果敢に収益を狙う戦略だった。両社が組めば収益構造に厚みが出る。

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「第一中央汽船、幻に終わった新日鉄系との統合」の著者

清水 崇史

清水 崇史(しみず・たかし)

日経ビジネス記者

98年早稲田大学大学院修了、通信社を経て日本経済新聞社に入社。証券部で機械・プラント、海運・空運などを中心に取材。2013年4月から日経BP社に出向。総合商社、金融マーケットを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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