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カリスマなきセブン、密かなる大転換

グループ稼ぎ頭のコンビニで「常勝」死守

2016年10月4日(火)

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 セブン&アイHDは2017年2月期、約600億円の減損を計上する。長らく不振が続くスーパーや百貨店事業で止血を急ぐ。連結営業利益の8割超を稼ぐコンビニ事業でも、ひそかに方針転換に踏み切っている。

 10月1日、東京・四谷。社員の姿もまばらな土曜日のセブン-イレブン・ジャパン本社に、ひとつだけ熱気あふれる会議室があった。真剣な顔つきで意見を交わしているのはセブンイレブンの制服を着た約30人。議題は店舗における販売力の向上についてだ。

 「先週、セブンのスイーツ商品がテレビで紹介されていましたよね」。参加者の一人がプレゼンする。「うちは陳列棚の大部分をまるまる使ってその商品を並べたんです。お祭りムードを演出したら、売り上げが伸びました」

 すかさず質問が飛ぶ。「重点商品に棚を割くのはわかるのですが、通常商品はどこに置いているのですか」。すると発表者は「通常商品はバックスペースに確保してあって、お客に聞かれたらすぐ出せるようにしています」。参加者は一斉に頷いた。

セブン-イレブン・ジャパン本社で開かれたエリア・ミーティング。最初はぎこちない雰囲気だった会議室も、意見を交わすうちに賑やかになった(10月1日、東京都千代田区)

地味に見えるが大きな方針転換

 この会議室で開かれていたのは、セブンイレブンが2015年秋から一部地域で始めた「エリア・ミーティング」。フランチャイズチェーン(FC)加盟店のオーナーや現場リーダーを集め、店舗運営の悩みや解決法を話し合う場だ。この日は東京・銀座周辺にあるセブンイレブン14店が出席し、店舗運営の知恵や工夫を披露しあった。

 「店舗の『現場力』が足りていない」。5月に就任したセブン-イレブン・ジャパンの古屋一樹社長は語る。セブンイレブンは国内1万9000超の店舗網を誇るコンビニ最大手。規模を強みとした商品開発力などで2位以下を長らく引き離してきたが「店舗ごとに(売り上げの)格差も目立つようになってきた」(古屋社長)。現場のサービスレベルを底上げするために始めたのがエリア・ミーティングというわけだ。

 地味に聞こえるかもしれないが、これはセブンイレブンにとって大きな方針転換といえる。

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「カリスマなきセブン、密かなる大転換」の著者

藤村 広平

藤村 広平(ふじむら・こうへい)

日経ビジネス記者

早稲田大学国際教養学部卒業、日本経済新聞社に入社。整理部勤務、総合商社インド拠点でのインターン研修などを経て、企業報道部で自動車業界を担当。2016年春から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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