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「産業革新機構の存在自体が矛盾だ」

JEITA長尾尚人専務理事インタビュー(後半)

2016年10月5日(水)

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 10月4日から開催した「CEATEC(シーテック)JAPAN2016」は出展社・団体数が前年比22%増の648社・団体と4年ぶりのプラスとなった。大手を中心に苦境が続く日本の電機業界が、再び世界に存在感を高められるかに注目が集まる。経済産業省、日本政策投資銀行などを経て電子情報技術産業協会(JEITA)専務理事に就任した長尾尚人氏に、電機業界の課題や政府ファンドのあり方などについて聞いた。

電機業界全体についてうかがいます。シャープが台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収され、東芝が白物家電事業を中国の美的集団に譲渡しました。日本の電機メーカー、特に大手を中心にその競争力低下が顕著です。日本の電機業界の課題をどう見ていますか。

長尾:日本は企業経営が全く現代化できていないと思います。高値で売れるものは早めに売ってしまおうという考え方がなく、じり貧になった状態で買い叩かれてしまうケースが増えています。

 会社経営の財務においては、収益をどこで生み出すのか、キャッシュフローをどう回していくか、そしてその中でどう投資回収するか。この3つを考えなくてはなりません。キャッシュフローをたくさん持ちながら投資に回す会社もあるし、ニッチでも利幅が大きい世界に特化していく会社もある。

JEITAの長尾尚人専務理事。経済産業省や日本政策投資銀行など経て、2014年から現職。

長尾:米ゼネラル・エレクトリック(GE)との比較が分かりやすいですね。彼らは資産規模で約4兆円にものぼる金融部門の一部を高値の段階で売りました。現時点では、キャッシュフローを猛烈に生んでいた部門にもかかわらずです。その金融部門を売っぱらって得たお金で、ハード同士を繋げるソフトウエアの技術に次々と投資しています。IoTの時代では、ある程度収益がありキャッシュフローを生む金融部門より、ソフト事業の方が会社の成長に必要だと早期に判断したからです。

 日本は過去の栄光にすがりついてしまう傾向が強いので、どうしてもそうした思い切った判断ができない。また、世界で通用する最高財務責任者(CFO)がほとんどいないと感じます。海外から本当の企業経営ができる財務の人間をスカウトし、日本の企業経営を現代化させないと、どんどん遅れを取っていくことになります。

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「「産業革新機構の存在自体が矛盾だ」」の著者

齊藤 美保

齊藤 美保(さいとう・みほ)

日経ビジネス記者

2011年中央大学法学部卒業。同年、日本経済新聞社に入社。産業部にて電機、IT、自動車業界を担当した後に、2014年3月から日経ビジネス編集部に出向。精密業界を中心に製造業全般を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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