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セブン改革、にじむ創業家への回帰

そごう・西武の3店は譲渡、オムニは「失敗」認め出直し

2016年10月7日(金)

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 セブン&アイ・ホールディングスは10月6日、傘下のそごう・西武の3店舗を、阪急阪神百貨店を運営するエイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)に譲渡すると発表した。この日の記者会見では、セブン&アイの井阪隆一社長が、鈴木敏文・前会長ら旧体制と決別するという決意をのぞかせる場面もあった。そごう・西武は、2006年に鈴木氏の肝いりで買収した事業だが、業績低迷が深刻になっている。井阪氏は新たな中期計画を公表するプレゼンテーションの冒頭で、創業者である伊藤雅俊・名誉会長に、異例とも言える「賛辞」を述べた。カリスマ経営者の鈴木氏が去った後、経営の新たな軸を創業家に求める構図がにじんでいた。

 今年5月、当時セブン&アイ会長だった鈴木敏文氏の突然の退任に伴って、井阪氏はセブン-イレブン・ジャパン社長から持ち株会社、セブン&アイ社長に昇格した。「就任から100日でまとめる」としていたグループの構造改革プランを6日、発表した。

「セブン&アイが7月中旬、H2Oにラブコールを送った」と明かす井阪社長(写真:尾関裕士)

 発表の目玉となったのが、百貨店事業のリストラだった。「そごう神戸店」(神戸市)と、「そごう西神店」(同)、「西武高槻店」(大阪府高槻市)をH2Oに承継する。セブン&アイによると、売却額など、店舗承継の詳細は今後両社で協議するとしている。

 合わせて、H2Oと資本業務提携を結ぶ。セブン&アイは約57億円を投じてH2O株の3%を取得。H2Oも同額を投じてセブン&アイ株を取得する方針だ。業務提携は、阪急阪神百貨店の買い物ポイントを、関西のセブンイレブンで使えるようにするなどの内容だ。「セブン&アイが7月中旬、H2Oにラブコールを送った。最近もH2Oの店舗に客として足を運んだが、商品の品揃えや店舗運営が素晴らしい」。井阪社長はそう説明した。

 鈴木氏と井阪氏はかつて師弟関係にあった。関係が急変したのは今春。鈴木氏が井阪氏に対し、セブン-イレブン・ジャパン社長からの退任を要求。「理由がわからない」として井阪氏は反発するが、鈴木氏は人事案を4月7日の取締役会に諮った。ところが、この人事案が通らなかったことで、鈴木氏が逆に辞任を決心する。鈴木氏は名誉顧問に退いた。

 井阪氏は入社から35年間コンビニ畑を歩んできた。突然の持ち株会社トップの就任で、グループ経営の手腕を不安視する声もあるなか「社内外の様々な声に耳を傾け、変えてはいけないことは守っていかないといけないし、変えなくてはならないことはどう変えていくのか、整理を進めてきた」(井阪社長)。その結果として、まず手をつけたのが百貨店の一段のリストラだった。

 セブン&アイがそごう・西武を買収したのは2006年。セブン&アイはすでに店舗閉鎖などリストラを進行中で、9月末に西武旭川店(北海道旭川市)など2店を閉鎖。来春は西武八尾店(大阪府八尾市)などさらに2店を閉める計画を公表済みだ。9月30日にも買収時に資産として計上した「のれん代」のうち334億円の減損処理を発表したばかり。それでも井阪社長は、もう一段、アクセルを踏み込んだ格好だ。

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「セブン改革、にじむ創業家への回帰」の著者

藤村 広平

藤村 広平(ふじむら・こうへい)

日経ビジネス記者

2011年早稲田大学国際教養学部卒業、日本経済新聞社に入社。整理部勤務、総合商社インド拠点でのインターン研修などを経て、企業報道部で自動車業界を担当。2016年春から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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