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渦中の長谷川豊アナ、「『退場』を受け入れる」

人工透析を巡る“炎上”と番組降板を振り返って

2016年10月12日(水)

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 フリーアナウンサーの長谷川豊氏は今、日本で最も嫌われている人物といっても過言ではないだろう。騒動のきっかけは、公式ブログ「本気論 本音論」の9月19日付の記事だった。

 「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」。そんな過激なタイトルの記事を巡り、人工透析患者を中傷しているとしてネット上で“炎上”。それが大きく飛び火し、長谷川氏はテレビ大阪、読売テレビ、東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)と出演するすべてのテレビ番組で降板に追い込まれた。ブログが転載されていたネット言論サイト「BLOGOS」のライター陣からも外された。

 ブログが原因ですべての仕事を失うことになった長谷川氏。失敗の代償は余りにも大きい。今回の騒動によって、特定の人物が表舞台から「退場」するまで執拗に攻撃を続けるネット世界の負の面も改めて浮き彫りになった。

 長谷川氏はなぜ人工透析患者に関するブログ記事を書いたのか。炎上必至の過激なタイトルをあえて付けた理由は何か。そして収入ゼロに追い込まれた今、一連の騒動を振り返り、何を思うのか――。本人に直撃インタビューし、ネット炎上問題の真相に迫った。(聞き手は 林 英樹)

長谷川豊(はせがわ・ゆたか)氏
1999年立命館大学産業社会学部卒、フジテレビジョンにアナウンサーとして入社。「情報プレゼンター とくダネ!」など人気番組を担当。その後、ニューヨーク支局に赴任したが、費用の解釈を巡り会社側と対立、2013年に退職した。フリーアナウンサーとしてテレビ大阪の報道番組キャスターなどを務めたが、今回のブログ記事炎上を理由にすべてのテレビ番組を降板した。3人の子供を持つ父親で、ボランティアで子供の貧困問題に取り組んでいる。

公式ブログとテレビで今回の騒動について謝罪しました。具体的に何について謝罪したと理解すればいいのですか。

長谷川豊氏(以下、長谷川):詳しくはブログに書いている通りなのですが、人工透析を受けている患者は今、一番苦しんでいる人たちです。彼らを苦しめてはいけないのに、僕はブログの文章を全部読んだら分かるでしょというスタンスで書いてしまいました。でも微妙な問題ですから、タイトルの言葉の選び方ひとつ、もっと慎重にならなければいけませんでした。

 人工透析患者なんてバカだと長谷川は言っているぞ、人工透析患者は全員自堕落だと言っているぞと。ブログの文章には何回も注釈を打って違うと書いているのに…(編集部注:ブログ記事には公開当初から「本コラムは記事中にもありますように『先天的な遺伝的理由』で人工透析をしている患者さんを罵倒するものでは全くありません。誤解無きようにお願い申し上げます」との注釈が付いていた)。

 とにかくそういう切り取られ方をされる可能性のある文言を使うべきではありませんでした。だからこれは僕の失敗です。

「殺せ」はスラングだった

「そういう切り取られ方をされる可能性のある文言」とは、タイトルの「殺せ」という表現を指しているのですか。

長谷川:その通りです。あの一言ですね。もちろん、本当に殺せと思って書いたわけではありません。あくまで「殺せ」というのはスラング(俗語)で、僕としてはそれぐらいちゃんとしろよと言いたかっただけではあるんですが。

例えば、長谷川さん自身が人工透析患者だったら世間の受け止め方も違っていたのではないかと思います。当事者ではない著名人が「殺せ」と断罪するのは、どうしても上から目線と受け止められ、反発を招いてしまいます。そのことはある程度、事前に予想できたのではないですか。

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「渦中の長谷川豊アナ、「『退場』を受け入れる」」の著者

林 英樹

林 英樹(はやし・えいき)

日経ビジネス記者

大阪生まれ。神戸大学法学部卒業後、全国紙の社会部記者として京都・大阪で事件を取材。2009年末に日本経済新聞社に入り、経済部で中央省庁担当、企業報道部でメディア・ネット、素材・化学業界などを担当。14年3月から日経BP社(日経ビジネス編集部)に出向し、製造業全般を取材している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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