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ソフトバンク孫社長、「必然」の10兆円ファンド

ジョブズとバフェットを融合した経営者への布石

2016年10月18日(火)

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ソフトバンクグループの孫正義社長。8月の日経ビジネスのインタビューで「我々はプラットフォームに徹する。要するにパートナーシップモデルなんです」と語っていた。(撮影:的野弘路)

 「やはり始まった」。10月14日、金融やIoTに詳しい関係者はこうつぶやいた。

 ソフトバンクグループは同日、サウジアラビアの公共投資ファンド(PIF)と共同で投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を設立すると発表した。

 最大1000億ドル(10兆円強)規模を目指し、IT(情報技術)関連企業に投資するという。ソフトバンクが今後5年で250億ドル以上、PIFが450億ドルを出資する方針だ。他にも投資家の出資を募る。
 ソフトバンクの孫正義社長は「ファンドは、今後10年でテクノロジー分野において最大級のプレイヤーとなることでしょう」というコメントを寄せた。

 同社は7月に、半導体設計専業の英アーム・ホールディングスの買収を発表した。その時からファンド設立やIoT関連企業の買収があるだろうと、業界筋ではささやかれれてきた。同社の幹部も「IoTで世界で勝つなら、当然の構えだ」と話す。なぜか。

 既にスマートフォンなどモバイルインターネットの分野で、米アップルや米グーグルが莫大な利益を上げているように、ITの世界は勝者総取りのビジネスだ。
 あらゆるモノがインターネットにつながるIoTにおいては市場規模が拡大し、その傾向に拍車がかかるだろう。

 従来はスマホのOS(基本ソフト)など、コア技術を押さえることが勝者の条件であったが、IoT時代においてはバリューチェーンが複雑で、1つのコア技術を押さえても勝者になれない可能性が高い。センシングから通信、データの統合や分析などハードからソフトまでバリューチェーンを垂直統合し、陣地をより多く押さえた企業が勝者になり得る。半導体設計という上流中の上流でシェアを押さえても、バリューチェーン全体への影響力は限定的だ。

 既に競合他社は垂直統合に動いている。米グーグルや米アップルが関連企業を次々と買収。日本企業でもトヨタ自動車が人工知能の研究所をシリコンバレーに設立したり、走行データを保管・分析するための新会社をマイクロソフトと設立したりしている。ファナックも半導体大手、米エヌビディアと技術提携するなど垂直統合の動きを見せている。

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「ソフトバンク孫社長、「必然」の10兆円ファンド」の著者

大西 孝弘

大西 孝弘(おおにし・たかひろ)

日経ビジネス記者

1976年横浜市生まれ。「日経エコロジー」「日経ビジネス」で自動車など製造業、ゴミ、資源、エネルギー関連を取材。2011年から日本経済新聞証券部で化学と通信業界を担当。2016年10月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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