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GDP成長率6.9%受け、中国が打つ次の一手

富士通総研主席研究員 柯 隆

2015年10月22日(木)

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 中国政府は今の経済状況を「新常態」と定義している。その意味は無理に高成長を目指す必要はなく、7%程度の成長で十分であるということのようだ。しかし、中国経済の実態は7%の「新常態」に程遠く、一段と減速する可能性が出てきた。

 10月19日に発表された第3四半期のGDP(国内総生産)成長率は前年同期比6.9%、6年ぶりに7%を割り込んだ。だが市場は、実際の成長率はもっと低いはずであると見ている。国家統計局が6.9%の成長と発表した真意はおそらく、経済成長が減速していることを認めつつも、目下の景気減速は政府がコントロール可能な範疇にあることを示すことであろう。

 かねてから中国のマクロ経済統計は信用できないといわれてきた。李克強首相も首相に就任する前から「現在のマクロ経済統計に問題がある」ことを認め、それを補うために、李克強指数を編成した。李克強指数とは、鉄道貨物輸送量、電力消費量と銀行貸出残高からなる指数である。むろん、李克強指数と実質GDP伸び率を単純に比較することはできない。まず、李克強指数はインフレ率を勘案していない。加えて李克強指数は、鉄道貨物輸送量は組み込んでいるが、トラック貨物輸送量は組み込んでいない。鉄道貨物の多くは石炭だ。ここで重要なのは一般の消費財の輸送量を捕捉するためトラック貨物輸送量を含めることである。

李克強首相は無能なのか、無力なのか

 第3四半期の経済成長率が発表されるのと同じタイミングで、習近平国家主席はロイター通信の取材に書面で回答した。そのなかで「今の経済状況を非常に心配している」と率直に述べている。

 まず、国家主席が経済運営について言及するのは異例のことである。加えて、習近平国家主席は中国経済が厳しい事態に直面していることを認めた。こちらもきわめて異例のことといえる。これまで、習近平国家主席がもっとも信頼する経済ブレーンの劉鶴(共産党中央財経指導グループ弁公室主任)は「中国経済も株式市場も何の問題もない」と豪語していた。

 では、中国経済のどこが問題なのだろうか。

 多くの研究者がすでに指摘している通り、投資と輸出に依存する経済モデルはすでに行き詰っており、一日も早く消費依存の経済に切り替えなければならない。しかし、消費の振興はいうのは簡単だが、実現するのはなかなか難しい。

 中国経済が持続可能な成長を実現する一つの突破口は国有企業改革である。国有企業は市場を独占し、マクロ経済の効率化を妨げている。しかし、共産党にとり国有企業は自らの支持基盤であり、それを民営化すれば共産党の基礎を弱めることになる。

 李克強首相の経済運営が成功していないのは事実だ。これについては、同首相が無能だからなのか、それとも、無力だからなのかをきちんと洞察したうえで判断しないといけない。たとえば、李克強首相が国有企業を改革しようと思っても、その人事を握っているのは共産党中央、すなわち、習近平国家主席である。大臣も大型国有企業の経営者も李克強首相の顔色をみることはほとんどない。これでは、いくら改革の必要性を唱えても、改革は前進しない。

 李克強首相が提唱するリコノミクス、すなわち構造転換と脱レバレッジを中心とする経済政策は的外れではない。これを忠実に推進すれば、経済状況はかなり異なるものになるはずである。また、マクロ経済統計の信ぴょう性に問題があるという指摘も正しかった。問題なのは統計改革が一向に進まないことである。

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自己チューでメンツを重んじ共産党独裁スキームを崩壊させたくない国が、どれだけ世界に経済的悪影響を与えているのか、自らを大国と名乗るなら自覚を持って対応・行動すべし。(2015/10/22 09:10)

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自己チューでメンツを重んじ共産党独裁スキームを崩壊させたくない国が、どれだけ世界に経済的悪影響を与えているのか、自らを大国と名乗るなら自覚を持って対応・行動すべし。(2015/10/22 09:10)

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