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VW、ドイツの国是を汚すCO2不正の衝撃

2015年11月6日(金)

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10月28日の東京モーターショーの報道陣向け事前公開で記者団に囲まれるVW乗用車部門トップのヘルベルト・ディース氏。一人ひとりに質問の時間を与え、誠意を見せていたのだが…

 「COP21」「ディーゼル車」「MQB」「トヨタ潰し」「インダストリー4.0」――。

 一見すると関係がなさそうなキーワードだが、独フォルクスワーゲン(VW)はこれらをつながげる壮大なシナリオを描き、その先に世界一の座を見据えていた。シナリオ成就の鍵は、二酸化炭素(CO2)排出量の削減。その戦略は、ドイツの国家戦略とも重なり合うものだ。

 11月3日、VWはガソリン車を含む約80万台の車両で、実際よりCO2排出量を少なく見せる不正をしていたことを発表した。これはVWにとって、ディーゼル車の排ガス不正より根が深い問題と言える。経営戦略の根幹をなすシナリオを自らの手でぶち壊すことになるからだ。

「ほれぼれするようなシナリオ」

 このシナリオはいくつかの事象が重なりあって完成するため、若干の解説がいる。

 欧州はCO2など温暖化ガス削減の国際交渉を主導し続けてきた。それは、社会正義と共に欧州の利益になるからだ。当初は経済格差のある東欧を統合したため、CO2の削減余地が大きかった。その下地をベースに産業界の低炭素化を図り、11月末からフランス・パリで開催される第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)でも、欧州が主導権を握る算段だった。

 CO2削減の象徴が自動車業界だ。欧州内では2021年までに1km走行当たりCO2排出量が平均95g以下、という燃費規制を課している。当初は小型車が少ないドイツ勢に不利と見られたが、その窮地を救ったのが「ディーゼル車」だった。

 ディーゼル車はガソリン車より燃費が良く、走りを損なわずにCO2排出量を削減できる。走りと燃費を両立させるエコカーとしての重要性が高まった。

 とはいえ、ディーゼル車は切り札ではない。役割はあくまで2021年までの時間稼ぎと全体のCO2排出量の削減だ。

 VWはディーゼル車で顧客をつなぎとめながら、電動技術の開発を急ピッチで進め、それが具現化し始めている。基幹車種のプラグインハイブリッド車(PHV)「ゴルフGTE」を手始めに、今後数年で40車種もの電動車両を投入する計画だ。大規模な電動車両の投入でCO2規制値をクリアするというシナリオを描いている。

 また、「MQB」と呼ばれる主要部品の共通化戦略を基に、多様な車種に電動技術を搭載すると同時に、コストを低減する方策を進めていた。日本メーカー関係者は「規制をクリアするために、ほれぼれするようなシナリオを描いていた」と評する。

10月中旬にVWの自動車テーマパーク「アウトシュタット(クルマの街)」から見た本社工場。白い煙を吐き、威圧感があった

コメント11件コメント/レビュー

VWの将来、BMWのように急激にPHV・EVにステアするように思います。(2015/11/12 17:53)

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「VW、ドイツの国是を汚すCO2不正の衝撃」の著者

大西 孝弘

大西 孝弘(おおにし・たかひろ)

日経ビジネス記者

1976年横浜市生まれ。「日経エコロジー」「日経ビジネス」で自動車など製造業、ゴミ、資源、エネルギー関連を取材。2011年から日本経済新聞証券部で化学と通信業界を担当。2016年10月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

VWの将来、BMWのように急激にPHV・EVにステアするように思います。(2015/11/12 17:53)

「ディーゼル車において・・・違法なソフトを使って浄化装置を起動させず、CO2排出量を抑制していたと見られている」この論旨は変じゃないのかしら?どうせ走っている時は何をどれほど出そうと規制が無い、分かりもしないからのズルでしょ?そんな排ガス中のCO2を減らす事に意味なんかある筈も無し。したいことは誰の目にも見える燃費の向上で、CO2減は結果に過ぎませんよ。(2015/11/10 10:06)

利権上、不必要・不合理に膨大な数の信号機を導入し、不必要・不合理に車両交通を停止発進させる日本の交通根本政策も、CO2削減策とは本質的に逆行なのでどっちもどっち。
ドイツを攻撃してみても日本のCO2排出優先策(それをHV利権で誤魔化す)を反撃されたらそれで一貫の終わり。(2015/11/07 11:32)

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