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スー・チー氏勝利、それでも続く「茨の道」

2015年11月10日(火)

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民主化はミャンマーの人たちの願いだった

 11月8日、ミャンマーでは2010年以来、5年ぶりに総選挙が実施された。2011年の民政移管後初の総選挙で、アウン・サン・スー・チー党首が率いる野党の国民民主連盟(NLD)が過半数を超える議席を獲得し、圧勝したもようだ。連邦選挙委員会(UEC)は、正式な結果発表には少なくとも2週間はかかるとしている。ロイター通信は、NLD広報担当者が独自の調査結果から「7割以上の議席を確保した」と明らかにしたと伝えている。

 第一次スー・チー旋風が吹き荒れた1990年の選挙では、NDLが議席の8割を獲得して圧勝したにもかかわらず、軍事政権が政権を委譲しなかった。だが、旧軍事政権の流れを汲む与党の連邦団結発展党(USDP)代表のテイン・セイン大統領は8日、首都のネピドーで投票した際に「我々が勝っても負けても国民の判断だ」と述べて、たとえ敗北しても受け入れる意向を示している。投票翌日の9日には、テイ・ウーUSDP党首代行が会見し、「選挙の結果は国民の判断であり、受け止める必要がある」と敗北を宣言した。

 議会は来春までに新大統領を選び、ミャンマーは更なる「真の民主化」を求めて新たな歴史を築くことになる。

 民主化の象徴としてノーベル平和賞を受賞したスー・チー氏も今年で70歳。「完全なる民主化」の実現に向けた最後の機会と言える。

 ミャンマーの民主化を先進各国は歓迎している。民政移管後にも一部残っていた欧米諸国による経済制裁が解除される可能性もある。だが、真の民主化を成し遂げたミャンマーを待ち構えるのは薔薇色の未来ばかりではない。むしろ、課題は山積していると言っていい。

大勝でも憲法改正は不可能

 ミャンマーはインドと中国という大国にはさまれる立地にあり、国土には130を超える少数民族との内戦やイスラム教徒を中心とする宗教弾圧問題も抱えている。さらに、2011年に民主化したとはいえ、いまだに強い影響力を持つ国軍の存在もあり、スー・チー氏にとって、今後の舵取りは決して容易なものではない。

 まず、現憲法下ではスー・チー氏が大統領になる資格が認められていない。外国籍の配偶者か子どもを持つ人物には資格が認められておらず、英国籍の息子を持つスー・チー氏は大統領になれないのだ。

 それでは改憲すればよいかといえば、これもそう簡単ではない。ミャンマーでは、憲法の改正には議会の75%以上の賛成が必要となる。今回の選挙でNLDが獲得した議席数が過半数は越えたとしても、ミャンマーの議会には軍部出身者が議席の4分の1、25%を占める決まりがある。事実上、新政権による改憲は不可能だ。

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「スー・チー氏勝利、それでも続く「茨の道」」の著者

白壁 達久

白壁 達久(しらかべ・たつひさ)

日経ビジネス記者

2002年関西大学経済学部卒業後、日経BP社に入社。日経ビジネス、日経ビジネスアソシエを経て、2015年から香港支局長としてアジア全体をカバーする。2016年8月から日経ビジネス記者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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