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フランステロ、絶望と日常のはざまで

血の海を見た者は、戦いの道を選ばない

  • 永末 アコ

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2015年11月17日(火)

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 プラタナスやマロニエの街路樹の紅葉が美しい。11月だというのに暖かなパリを闊歩(かっぽ)しながら、至る所で見られる“テロ危険度最高値”を示す色褪せた張り紙を見て「はがし忘れた選挙のポスターみたい。少しずつ過去になっている」と、数日前に心軽く思ったところだった。

 “警戒すべき荷物”により道が閉鎖されたり電車が止まったりする事はあっても、誰もがどこか「また迷惑な」「大げさな…」と思うにとどまる空気が、既にパリにはあった。8月にアムステルダムからパリへ向かう国際特急電車内で、発砲したテロ予備犯達を、乗り合わせていた米国兵士が捕まえたと言うニュースにも、どこまで人々は恐怖感を持っただろう。今年1月のシャルリエブドの事件を、私たちは確かに少しずつ忘れ始めていた。

カミカゼによる爆撃

永末アコ
ジャーナリスト/クリエイター
1996年よりパリ在住。フランス人の夫と2人の子どもと共に、パリ左岸のアパルトマンに暮らす。光とオブジェのアーティス トとして、また、フランスのライフスタイルや食文化の情報を発信するライターとして活躍中。2009年には「かわいいだけじゃ暮らせない akoからはじまるパリのABC」(飯塚書店)を出版。2011年にはApp Storeより電子書籍「パリのアン・ドゥ・トワァ」を販売中。

 一昨日、13日の金曜日。犯人達は意図して、キリスト教に記されたこの日を選んだのか。久しぶりに予定のない週末の夜を、私はのんびりベッドに転がりながら読書で過ごし、そしてその日最後のニュースをチェックしようとスマートフォンで新聞のネット版を開いた。

 夜22時半を過ぎたころだった。そこには速報で、パリ10区、11区で、カラシニコフを持った者によるテロがあり、その時点で十数人の命が失われたとあった。私は飛び起きて、じっくり本文を読もうとしたが、起きたばかりの出来事で本文もリードの程度の長さだ。

 しかしそこには、同時にフランスとドイツの親善試合が行なわれているパリ郊外のサンドニ・スタジアムでも「カミカゼによる爆撃(=自爆テロ)」があったと記されている。ちょうどその試合をテレビの生中継で観戦している主人と息子のいる居間へ、私は飛んで行った。

日本でマグニチュード7の地震!?

 彼らは暢気に試合を見ており、試合は何事も無いように進んでいた。「パリでまたテロがあったみたい。それからサンドニのスタジアム付近でも」と私が早口で伝えると、「ほら!!やっぱりそうだよ! 僕、試合中にすごい爆発の音を2回はっきり聞いたんだ! パパに何この音? 何、何?って聞いたのに、パパは爆竹だろうって。でもすごい音だったんだよ!」と、息子が言う。

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