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小池都知事「五輪準備のヘッドがいない」

ボート会場の変更はあるのか。今の胸中はいかに

2016年11月18日(金)

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 「東京大会の総費用が招致段階で7340億円だったのに、4倍以上の3兆円超に膨らむとはどういうことなのだろう。企業であれば、予算の2割でも増えたら、計画をやり直すことになる」(キッコーマン取締役名誉会長・取締役会議長の茂木友三郎氏)。

 2020年東京五輪・パラリンピックの競技施設の見直しについて、経済界でも関心が高まっている。見直しを訴えてきたのは、東京都の小池百合子知事だ。7月に都知事に就任してから、意思決定プロセスやコスト構造を批判し、代替案を提示してきた。11月末の4者協議で結論を出す前に、どのように考えているのか。小池都知事が本誌のインタビューに応じた。

 都知事が強調したのは、ガバナンス不在への危機意識だ。「民間でやらないことはやらない」と言い、コストダウンの必要性も示した。また東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長からの「スポーツを知らない」という批判を意識してか、競技団体の運営に携わってきた実績も強調した。

 ただ、当時は辛辣に評価していたボート会場候補の「海の森」に対しては、厳しいコメントが減っている。また、ガバナンス不在としながらも、都知事自身が全体をけん引していくという発言はなかった。様々な利害関係者への配慮から、落としどころを探っているように見えた。

(聞き手は大西孝弘)

小池百合子(こいけ・ゆりこ)氏
1952年7月15日生まれ、64歳。71年関西学院大学社会学部中退、76年カイロ大学文学部社会学科卒業。テレビ東京「ワールド・ビジネス・サテライト」のメーンキャスターを務めた後、92年日本新党から参院選挙に立候補(比例区)し初当選。93年衆院選挙に初当選(日本新党、兵庫2区)。新進党、自由党、保守党を経て2002年、自由民主党に入党し、2003年環境大臣に就任、2004年からは内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)も兼任。2007年、防衛大臣。2010年、自民党総務会長。2016年、東京都知事に就任
(写真:村田和聡)

2020年東京五輪・パラリンピックの競技施設の見直しを通じて、これまでガバナンスの不在を批判してきました。なぜそのような構造になったのでしょうか。

小池百合子・東京都知事(以下、小池):私のブレーンの1人がCEO(最高経営責任者)もCFO(最高財務責任者)もいないと辛口の評価をしていました。

 調整会議が日本オリンピック委員会(JOC)や日本パラリンピック委員会(JPC)、組織委員会、国、文部科学省、東京都などの寄せ集めになっていて、その中にヘッドがいません。

 それぞれのトップは東京都なら知事だし、それぞれの担当部局があります。それが総合になるとただの積み重ねになってしまう。

 当初は「コンパクト」「復興」と言っていましたよね。一番大きなビジョン、コンセプトではなく、具体的な会場をどうするという話になっている。

 レガシーといってもハコモノだけではありません。ロンドン大会では、IT(情報技術)がレガシーになって、テレワークにつながり、ちゃんといろんなものを残している。

 「じゃあ、東京はどうするかというのが見えません」というのが、私の不安であり、問題点として指摘しているところです。

 みんないい五輪にしたいと当然思っています。それをきっかけとして、1964年の東京大会では、新幹線、首都高ができ、それが高度成長につながり、エポックメーキングなイベントになった。

 じゃあ、2020年は何があるのか。それぞれのステークホルダーの総合的な考え方として何というのが見えていない。それを端的に指摘させてもらっています。

 どちらが上だ下だ、勝った負けた、なんて関係ないですよね。いい大会にしたいということです。

 組織委員会という組織は2020年で役目を終えるけれども、東京都政は未来永劫続く。かつ契約のスキーム上は、組織委員会の足りなかった部分は東京都が補てんするということになります。

 かつ猪瀬(直樹)さんが都知事の時代、招致成功した際には、「東京都は金持ちで4000億円の基金がある」と豪語していました。「飛び出た分は東京都の負担になる」という約束になっている。つまり、コストとインベストメントがごっちゃになっているので、そうしたことを整理しましょうよ、と言っています。これが1つ目の問題点です。

 2つ目は会場選びです。調査チームが経営的な手法でいろいろと分析した。初めは競技団体との交渉はなしにして、経営的な手法で分析をした。

 海の森(の整備費)にしても、招致段階では69億円だったのが、いつの間にか1000億円に膨らみ、それが491億円に半減し、複数案が出たときには、300億円になりと。これは説明しないと納得できない変遷だと思います。

 私が最も懸念するのは、「東京大会は大成功に終わった。しかし、その後のライフサイクルコストは東京が負担する」ということで、本当にうまくいくのか。

 ロンドン五輪では、始めから減築を計算に入れて大きく作り、大会後に小さくするなどいろいろな工夫がされています。

 ですから、その後の運営管理の経済性をチェックしています。

 「(すでに設計も)決まっているのに」と怒っている人もたくさんいるけど、そのあとの東京はどうなるの。大会後の話なのでどれくらい責任を持つかは不明です。「それを決めたのは小池さんだよね」と言われてもきついなと。豊洲も同じ理由です。

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「小池都知事「五輪準備のヘッドがいない」」の著者

大西 孝弘

大西 孝弘(おおにし・たかひろ)

日経ビジネス記者

1976年横浜市生まれ。「日経エコロジー」「日経ビジネス」で自動車など製造業、ゴミ、資源、エネルギー関連を取材。2011年から日本経済新聞証券部で化学と通信業界を担当。2016年10月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長