ベネッセホールディングス(HD)が10月末、2020年度までの中期経営計画を発表した。同時に発表した2015年4~9月期の業績は売上高が前年同期比6%減の2200億円、営業利益が同61%減の102億円と、昨年発生した「進研ゼミ」の会員情報流出の影響で厳しい状況が続いている。中期計画では反転攻勢に向け、米アップルの「iPad」などを活用した、ゼミ教材の大幅刷新に加え、中国など海外での事業拡大、介護事業の強化を打ち出した。2021年3月期の売上高を現在から3割増やすとともに、現在売上高の4割弱を占める進研ゼミの比率を2割まで下げ、「脱・進研ゼミ依存」を進める。また、現在66歳の原田社長にとって、成長戦略に並んで重要なのが次世代を担う後継者の育成。「社内にもやっとグループ経営の重要性が浸透してきた」と語る原田社長に、中期計画の狙いや見通しを聞いた。
今回策定した中期計画について、社内の雰囲気や投資家の受け止め方はどうですか。

原田:ベネッセにおいては進研ゼミが中核事業としてあって、成功体験やプライド、組織風土はずっとゼミに基づいたものだったわけです。利益貢献度で言うと、2013年度は利益の6割を稼いでいる。ただ、数年前からダウントレンドにあって、さらに昨年7月にあれだけ大きな流出事故が起きました。事故前から原点に返ろうとか、コアバリューを復活させろという話はしてきていましたが、事故によってもう一度何をすべきかを考える修羅場に直面しましたね。
一方で、ベネッセという会社はゼミを中核にしながら、様々な会社を傘下に収めてきた歴史がある。買収後に成長した企業も多いですが、実はグループの経営戦略については語られることがなかった。各事業のリーダーも自分の事業は分かるけど、グループ全体についての理解はあまりできていなかった。
今回の中期計画は外だけでなく、社員に対する説明の時間もしっかり作り、グループ全体の姿や経営戦略を理解してもらうようにしました。これはおそらく初めてのことでしょう。福武總一郎最高顧問も、内容を聞いて「わくわくする。ぜひ全社員に伝えてほしい」と言ったくらいです。
投資家やアナリストについても、今回はかなり時間をとって説明しました。機関投資家からは「久しぶりにいい会議だった」というコメントももらいました。現実にはゼミの会員数は重要な数字ですから、私の総合的な理解でいくと、彼らの評価は「ステイ」ではないかと思いますが。


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