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療養費・診療報酬の不正請求を防ぐ唯一の手段

“なめられない”保険者になるために

2015年11月20日(金)

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 接骨院で施術したように装い、健康保険から支払われる療養費をだまし取ったとして、警視庁は11月6日、暴力団組長や柔道整復師ら16人を詐欺容疑で逮捕した。組長らは複数の医師や歯科医師と組んで組織的に診療報酬の不正請求を繰り返していた疑いもあり、不正受給の総額は1億円を超えるとみられている。

 「暴力団によるこの手の詐欺事件は今後まだまだ増える恐れがある」。診療報酬などの不正請求に詳しい、ある企業の健康保険組合関係者はこう危機感を募らせる。各都道府県の暴力団排除条例施行を受け、暴力団は生き残りをかけて新たな資金源獲得に必死だ。そんな中、診療報酬などの不正請求は後を絶たず、「それならば、『この手口を真似ればいい』と考える暴力団が次々登場しても決しておかしくない」と言う。

 実際、医師が受け取る診療報酬や柔道整復師が受け取る療養費の不正請求は全国で横行している。厚生労働省によると、不正請求があったとして医療機関に返還を求めた診療報酬は2013年度で約146億円。前年度比で約15億円増えた。療養費を不正受給したとして処分される柔道整復師も相次いでいる。

 不正請求が後を絶たない背景として、ずさんな審査・支払い体制が挙げられる。ここで一般にはなじみがない、診療報酬と療養費の審査・支払いの仕組みを説明しておこう。

診療報酬と療養費で大きく異なる審査・支払制度

図1:診療報酬の支払い

 まず、大前提として、病院や診療所などの保険診療機関、柔道整復師による整骨・接骨院、そしてあん摩マッサージ・鍼灸院とでは、健康保険の給付方式が異なっている。保険医療機関では、患者は一定割合の自己負担で診察や治療を受けたり、薬をもらったりできる、現物給付を受けている。一方、それ以外の医療類似行為を実施する施術所では、患者はかかった費用の全額をいったん立て替えて支払い、その後自己負担額を除いた費用を保険者に請求する現金給付(償還払いとも言う)の仕組みになっている。

図2:柔道整復師の場合

 ただし、柔道整復に関しては、患者は自己負担分のみを支払い、残りの費用を、患者からの“委任”を受けた柔道整復師が直接保険者に請求する「受領委任払い」制度も特例として認められている。これは、戦前に整形外科医が不足しており、柔道整復師による施術が必要だったことや施術の緊急性を考慮して例外的に現物給付と同様な取り扱いにする必要があったためといわれている。

図3:あん摩マッサージ指圧師などの場合

 それぞれ審査・支払いの仕組みは図の通り。保険医療機関は、患者ごとの診療内容が分かる「診療報酬明細書(レセプト)」を毎月、都道府県に事務所を置く審査支払機関(協会けんぽ健保組合などの社会保険は社会保険診療報酬支払基金(支払基金)、国民健康保険は国民健康保険団体連合会(国保連))に送付する。

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「療養費・診療報酬の不正請求を防ぐ唯一の手段」の著者

庄子 育子

庄子 育子(しょうじ・やすこ)

日経ビジネス編集委員/医療局編集委員

日経メディカル、日経DI、日経ヘルスケア編集を経て、2015年4月から現職。診療報酬改定をはじめとする医療行政や全国各地の医療機関の経営を中心に取材・執筆。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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松﨑 曉 良品計画社長