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中国が海外の先端技術を買いあさる「軍民融合」

ドイツの「KUKAショック」で先進国は震え上がった

2017年12月7日(木)

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中国の新・輸出管理法は運用次第で企業秘密が流出するリスクも

 もっと厄介なのは貿易だ。今、中国は新たに輸出管理法を制定しようとして、先進各国は危機感を抱いている。

 輸出管理の歴史を振り返ると、かつての冷戦期に共産圏への技術流出を規制する対共産圏輸出統制委員会(COCOM=ココム)から始まっている。その後、通常兵器関連だけでなく、核、ミサイルなど大量破壊兵器関連の国際的な枠組み(国際輸出管理レジーム)も整備された。

 これらの国際的レジームは、先進国が保有する高度な製品、技術が北朝鮮、イランなどの懸念国に渡ると、国際的な脅威になることから、これを未然に防止しようするものだ。当然、メンバーは先進国を中心とした有志連合で、各国で輸出管理を実施してきた。

 しかしメンバー国以外であっても、経済発展著しいアジアの国々でも技術進歩の結果、高度な製品を生産できるようになってきた。そうすると、これらの国々も規制に協力しなければ規制の実効性が確保できないことになる。中国はまさにその代表格だ。

 世界第2位の経済大国となった中国が世界の安全保障に協力すること自体は歓迎されるべきことだ。輸出管理法という法制度を整備することは大国としての責任とも言える。

 問題はその法制度がどう運用されるかである。運用次第では本来の目的とは違って、軍民融合戦略の手段にもなり得るのだ。

 現に、法案の目的には、「平和と安全」という安全保障の輸出管理本来の目的以外に、「産業の競争力」「技術の発展」といった産業政策的な要素も規定されている。

 最も懸念されるのは、中国から輸出しようとすると、中国当局から輸出審査において企業秘密にあたる技術情報の提出を要求されることだ。

 例えば、日本からキーコンポーネントを中国に輸出して、これを中国で組み込んだ製品を第三国に輸出するケースを考えてみよう。

 中国での輸出審査の際に製品が機微かどうか判定するのに必要だとして、組み込んだ日本製キーコンポーネントの技術情報を要求される恐れもある。その結果、関連する中国企業にその技術情報が流出する可能性さえある。

 現に、かつて中国において別の法律の運用で、要求された企業秘密の技術情報が中国の競合他社に流出してしまった事例がある。法治国家では「法律の目的外使用」は禁止されるのが当たり前だが、そういう常識が通用しないのが中国だ。

コメント12件コメント/レビュー

これこそ、
「日本はドイツを見習え」の最たるものです。
自国の雇用を、技術を守るために、法律を制定して、
官民一体で(官民癒着?)中国による企業買収を阻止する。

日本も官民一体による中国の企業買収阻止が緊急の政治課題と考えます。(2017/12/07 12:03)

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「中国が海外の先端技術を買いあさる「軍民融合」」の著者

細川 昌彦

細川 昌彦(ほそかわ・まさひこ)

中部大学特任教授(元・経済産業省米州課長)

1955年1月生まれ。77年東京大学法学部卒業、通商産業省入省。「東京国際映画祭」の企画立案、山形県警出向、貿易局安全保障貿易管理課長などを経て98年通商政策局米州課長。日米の通商交渉を最前線で担当した。2002年ハーバード・ビジネス・スクールAMP修了。2003年中部経済産業局長として「グレーター・ナゴヤ」構想を提唱。2004年日本貿易振興機構ニューヨーク・センター所長。2006年経済産業省退職。現在は中部大学で教鞭をとる傍ら、自治体や企業のアドバイザーを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

これこそ、
「日本はドイツを見習え」の最たるものです。
自国の雇用を、技術を守るために、法律を制定して、
官民一体で(官民癒着?)中国による企業買収を阻止する。

日本も官民一体による中国の企業買収阻止が緊急の政治課題と考えます。(2017/12/07 12:03)

記事以外にも憂慮されることは、中国資本が日本の土地、水源をここ数年買いあさっているのに、規制が一向に実施されないことです。何故、当局はこのことを知っていながら法規制など対策を打って頂けないのか、ちょっと心配。(2017/12/07 11:41)

守るべきものがあれば国内工場で、できるなら自社工場で生産しなければいけない。
食品は一連の騒動以来「国産回帰」の雰囲気もあるが、工業製品についてもはっきりしてきた。
その分のコストアップは日本経済や国としての安全保障のコストとして許容せねばなるまい。
とくに「かの国」はもっとも慎重にならねばならない。(2017/12/07 11:10)

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