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メルカリの変節、山田進太郎CEOの反省

現金出品騒動から12月の大幅仕様変更まで

2017年12月8日(金)

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 「予想外の使われ方をされ、恥ずかしながら外部からの指摘で気づいたこと、発覚が遅れてしまったことについて深く反省しています。当時、利用規約で禁じていた出品対象に『現金』はありませんでしたが、『マネーロンダリングの疑いがあるもの』という項目があったことから、便宜上、この項目に違反するという名目で、発覚後すぐに削除対応をしました」

 「たまに『売り上げや流通総額が欲しいから放置していたのでは』などと言われるのですが、そういうことは本当にないというか……。確かにメルカリは、個人による自由な売買の場として成長してきた面もあるのですが、大きくなっていったときに、予想もつかなかったような使い方が出てきて、それに対して現実的な対応を都度、迫られているというのが実情です」

 成長や流通総額のためなら何でもありというわけではない、とする山田CEOのコメントを裏付ける事実がある。

 一つは、その件数。派手に報じたいからか、メディアは現金出品の件数について触れなかったが、メルカリによると「多くて1日10件、合計でも数十件」。1日100万件以上の出品という規模の中では極小であり、看過しようが禁止しようがメルカリの成長にはほぼ関係のない量だった。それでも、山田CEOは「1件でも発生してしまったことは、やっぱり反省すべき」と言い、数件でも禁止対象の出品を逃さない体制づくりを急いだ。

「業者」は一律排除

 もう一つの事実は、メルカリが当初から掲げる「業者の排除」だ。CtoC(個人間取引)において、「チケット」や「アカウント」の転売は古くから主要なコンテンツ。特にチケットは、迷惑防止条例などで転売目的のいわゆる「ダフ屋」行為が禁止されているが、ネットオークションなどでは「一緒に行こうと思っていた友人が行けなくなったのでお譲りします」「仕事で行けなくなりました」といった文言を印籠にかざし、実際は業者であっても看過されていた実態がある。

 ヤフオク!が今年11月、利用規約の出品禁止対象に「転売目的で入手したと当社が判断するチケット」を追加し、本格的に「転売屋」排除に向けて動いたと話題になったが、メルカリは最初から規約で転売屋を禁止とし、怪しいアカウントの削除も昨年8月頃から強化している。なぜならメルカリはあくまで「個人」の売買の場であり、「業者」は一律、排除の対象だからだ。

 例えば、「仕事で行けなくなりました」とチケット出品の商品説明にあっても、同一アカウントでチケットばかりを出品しているアカウントは個人のふりをした業者とみなし、2015年頃から出品やアカウント削除などをしてきたという。「NINTENDO Switch」など品薄の商品を次々と出品するアカウントも、内容にかかわらず転売屋と見なし、削除対象としてきた。山田CEOは言う。

 「僕は必ずしも業者が悪いと思っているわけではないんですけれど、個人のお客様がやりとりをする場なんです、ということを前提としているので、そうじゃない方々はちょっと別のところでやってくださいというスタンスなんですね」

 「業者とみられるアカウントや出品の削除を強化したことで、確かに全体の出品数は一時的には減りました。けれども、逆に個人の出品が売れるようになったりと副次的な効果もあり、我々が『GMV』と呼んでいる、いわゆる流通総額に対しては、ほぼインパクトがない結果になっています」

 「将来的には、業者さんもメルカリの中で販売できるような仕組みをつくっていこうとは思っていますが、我々が気にしているのは、業者の方々が入ってくることによって個人のお客様が売れなくなるとか、肩身が狭い感じになってしまうこと。それは避けたいなと思っています」

盗品など目立つ不正出品

 話はそれるがメルカリは11月30日、商品をライブ配信動画で紹介する機能「メルカリチャンネル」を、一部法人向けに開放した。ただしこれはあくまで動画配信のみで、かつ一般のメルカリのようにどの法人でも自由に使えるわけではない。将来の法人対応に向けた実験的な取り組みと見た方がよい。

 本題に戻すと、現金出品騒動は「売れれば何でもアリ」というスタンスだから起きたわけではなく、想定外の事故のようなことであった、ということになる。それでは「盗品」はどうか。

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「メルカリの変節、山田進太郎CEOの反省」の著者

井上理

井上理(いのうえ・おさむ)

日経ビジネス記者

1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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