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トランプと共和党、“赤い州”でまさかの敗北

税制改革の実現で全てをチャラにできるか?

2017年12月15日(金)

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米アラバマで行なわれた連邦上院補選で敗退したムーア氏。未成年淫行疑惑が致命傷となった(写真:AP/アフロ)

 どちらに転んでも、共和党指導部にとっては負けに等しい戦いだった。

 12月12日、ジェフ・セッションズ司法長官の上院議員辞任に伴う補欠選挙が米南部アラバマ州で実施された。本来であれば、話題になるような選挙ではなかった。アラバマ州は保守王国と呼ばれる“赤い州”。昨年の大統領選でも、トランプ氏は60%の支持を得た。上院議員も1992年にリチャード・シェルビー氏が勝利したのを最後に、民主党の候補が当選したことはない(シェルビー議員は94年に共和党に党籍を変更)。だが、今回の補選は全米の注目を集めた。

 政権発足から1年が経過したトランプ政権に対する信任投票という側面はもちろんある。だが、それ以上に、共和党の候補、ロイ・ムーア元判事に浮上したスキャンダルの影響が大きい。

保守派判事の未成年淫行疑惑

 さかのぼること1カ月前の11月9日、ワシントン・ポストが驚愕のスクープを掲載した。ムーア氏が30代の頃に複数の未成年の女性に性的関係を迫ったという疑惑だ。被害に遭ったと名乗り出た女性の一人は「14歳の時に誘惑された」と米メディアに語った。同州最高裁判事を務めたムーア氏は敬虔なキリスト教徒にして歯に衣着せぬ保守強硬派。そんな保守系元判事に降って湧いた淫行疑惑にアラバマ州は揺れに揺れた。

 ムーア氏は当然のように記事を否定、フェイクニュースとしてメディアや告発した女性を非難したが、共和党上院トップのミッチ・マコネル院内総務は「自分は女性たちを信じる」と明言、出馬辞退を促した。最終的にトランプ大統領がムーア支持を表明したことで共和党候補者として補選を戦ったが、未成年に対する淫行疑惑のダメージは深く、楽勝とみられていたムーア氏のリードは消滅。「どちらが勝つにしても僅差」(Cook Political Report)と指摘されるほどの前代未聞の接戦になった。

 そして、投票日の12日。下馬評通り、開票速報は0.1ポイントを争う一進一退の状況が続いたが、最終的に民主党候補のダグ・ジョーンズ氏が勝利。アラバマ州で25年ぶりに民主党の上院議員が誕生することになった。女性票がジョーンズ氏に流れたことを考えると、淫行疑惑はやはり致命傷だった。

 この敗北は共和党にとって確かに打撃だ。

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「トランプと共和党、“赤い州”でまさかの敗北」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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